ゆるしたまえ

夏の早朝

 

セミたちが、私の怠惰を責めるように騒ぎ立てている

 

そして隣りに眠る、年の離れたあなたは
まだ、まどろんでいる

 

もうすでに
長年を共に過ごした夫婦のように

 

そして
まるで生まれる前から一体だった、ひとつの球のように
私たちは番う

 

 

 

 

 

あなたの手が触れる私の部分は全て
予想の範疇の呼応をして

 

私の手が触れるあなたの部分は全て
日頃の立場の逆転を叶える

 

 

 

 

 

もう起きなければダメよ
さあ顔を洗ってくださいね

 

解凍したクロワッサンを焼き直して、ブレンドを淹れたら
その不機嫌は直りますか?

 

少し、時間をずらして出ましょうか
ごめんなさい、うちに靴ベラは置いてないの

 

 

 

 

 

 

 

気難しいあなたと、融通の利かない私は
時に対立する

 

しかしながら
シーツの中では一心にまぐわう

 

限界まで張り詰めたものを緩ませるためには
究極に基準を超えた何かが必要だから

 

 

 

 

 

 

死と希望
思慕と無力にまみれる日常で

 

こんにちも、私をゆるしたまえ
私たちを、ゆるしたまえ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です