ドレの『神曲』と、坂本龍一の『async』と。

先達て、GT-Rのパトカーを見たその日は、県立図書館へ立ち寄るために、自転車で国道沿いを走っていたのだった。

その時に借りた本が、まさにこれ。写真の右側の本だ。ダンテの『神曲』【完全版】、平川祐弘の完訳である。

左側も、『神曲』。こちらは、谷口江里也による抄訳である。僕が愛読している『神曲』は、こちら側だ。一大叙事詩のような、谷口氏の広がりのある日本語訳が実に素晴らしい。とても抄訳とは思えないくらいだ。

どちらの本も、ギュスターヴ・ドレの挿絵を収録している。
ドレは、旧約および新約聖書の挿絵も、そうなのだけれども、非常に線の細くも力強い画風で、読者のイマジネーションを存分にかき立ててくれる。
余りにも印象に残るので、僕にとっては例えば、旧約聖書のモーセといえば、もうドレの描いたキャラクター(下の写真の右側)でしか思い出せないくらいだw これと同じようなことが、『神曲』についても言える。(下の写真の左側は、谷口江里也による、旧新約聖書の抄訳。イラストは、勿論ドレ)

先達てのエントリにも書いたように、坂本龍一の新アルバム『async』を聴くと、僕はダンテの『神曲』を想起する。それは、まさに、このドレの挿絵による『神曲』なのだ。

この、ハッチングが何重にも施された黒い画と冥界巡りのストーリーが、楽音とも物音ともノイズともつかないような『async』の絶妙なサウンドに、実に良く合うのである。それを、【完全版】と謳う『神曲』で、今一度確認してみたくて、先達て借りに行った、という訳だった。

そして、昨日はとうとう、『async』のLPレコードを注文した。
国内盤は何だかとても高価なので、輸入盤にした。比べると、半分くらいの値段だろうか。余りの価格差に、却って不安になりそうなくらいだw 届くのは、ゴールデンウィーク明けである。そのときには、ゆっくりとLP盤の『async』にまた耽溺しながら、『神曲』のページを繰ってみたい。今から楽しみだ…。

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この本も、図書館で借りるだけでなく、いつか買いたい…。

ダンテ 著、平川祐弘 翻訳『神曲【完全版】』
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