僕のねこは捨て猫だった…(後編)

ある雨の日に、うちのかみさんが子猫を拾ってきた。もう、18年も前のことである。

その子猫は、濡れた小さな躰を震わせ、お腹を空かせていた。あまりに元気がないので、かみさんの実家のねこが行きつけの動物病院に、すぐ連れて行ったのである。
獣医さんに調べて貰ったところ、特に異常はなかった。ねこ用の粉ミルクを貰ってきたので、スポイトを使って、毎日飲ませることにした。(ここでは多分、1,000円くらいの費用がかかったのだろう、と思う。)

子猫は、みるみる内に体力を回復させていった。数日で部屋の中を這い回るようになり、1ヶ月もしない内に、家のあちこちを走り回るようになった、と記憶している。
特に、狭いところが好きで、洗濯機の横に置いてある空のバケツの中や、開けっ放しのクローゼットの奥など、色々なところに入り込んで隠れる(?)のが好きだったのだ。クローゼット好きなのは、今でも変わらない。開け閉めの音を聞いただけで、遠くからでも走り寄って来るくらいだ。

そして、拾ってきてから数ヶ月後、奇妙な声で鳴くようになったのである。何かを呼び求めるかのような…。
これは、きっと発情期の鳴き声だろうと、かみさんは言った。前回書いたように、当時住んでいた賃貸マンションは、「ペット禁止」だったのである。…とは言っても、10棟建ての広い敷地内で堂々と小型犬の散歩をさせている住人がいたり、部屋の窓にねこが佇んでいるのが丸見えのお宅があったり等、実に緩い規則の「ペット禁止」だったのだけれども。
しかし流石に、この発情期の鳴き声は近所迷惑になってしまうだろうと、ふたりで考えて、このねこに避妊手術を受けさせることにした。費用は、2~3万円ほどかかったと思う。2度目の動物病院だった。


それ以来、全くの病院いらずだったのだけれども、以前書いたように、昨年便秘ぎみになったため、避妊手術以来十数年ぶりに(別の動物病院の)獣医さんのお世話になったのである。うちのねこが病院に行ったのは、この3回だけだ。
あと、何故か外出を全くしたがらないので(とにかく家の中が大好き)、ウィルス性の病気を他のねこから貰ってしまう心配がない。従って、ワクチンの注射を受けたことは一度もない。毛皮にノミなどの虫も付かないので、そのための薬も必要としていない。

毎日の食事には、いつも比較的安価のドライフードを食べている。3kg入りで800~900円くらいのものを、1日あたり約40g与えている。食事代は、月に400円くらいということになると思う。あとは、月に1~2回、ご褒美のようなおやつ(100円程度)を与えることもある。
昨年までの17年間は、ずっとこんな感じで食べ物を与えてきた。

ただ、昨年の夏頃からは、便秘対策で「ロイヤルカナン」というフランス製のフードも少し混ぜて食べさせている。これが幾らか値が張る。2kg入りで約3,000円だ。この量で4ヶ月分相当になるので、1ヶ月あたりでは800円くらい。
他にかかる費用は、トイレシートくらいのものだろう。これは、1枚10円程度。使用量は、1日に1枚(ごくたまに2枚)である。それ以外の消耗品は、何も使っていない。水道の水くらいだろうか。

上に述べた数字(病院代、食事代、トイレシート代)を纏めてみたのが、この表だ。18年間で20万くらいかかったのではないか、と思う。平均すれば、1年に1万円強というところだろうか。
やはり、先達てのニュース記事にあった「15年間で150万円」の10分の1だろう(つまり、1年に1万円くらい)という、そのときに感じた大雑把な感触は、まあまあ正しかったのかも知れない。

僕は他にねこを飼ったことがないので、これが高いのか安いのかはよく分からないけれども、うちのねこは、実際にこれだけの費用で、18年目のねこ人生を幸せそうに送っている。
毎日、家族に可愛がられ、そして毎晩のように、息子を寝かしつけるお仕事(つまり添い寝)までしてくれるのだ。時折、歳のせいか便秘の症状が出るのが少し心配だけれども、他には特に何も具合の悪いところのない、実に元気なねこなのである。

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