ピアノの魔女、ヴァレンティーナ・リシッツァ(3)

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一昨日から、ピアノの魔女(と、勝手に名付けさせて頂いたw)、ヴァレンティーナ・リシッツァについて書いている。
そもそも僕は、このカツブロでブログを始めるにあたって、このことは書いておこう、と考えた事柄が幾つかある。その内のひとつが、ヴァレンティーナ・リシッツァだったのだ。
従って、今後も、このピアニストについて書くことが(たまには)あろうかと思う。どうぞ、お付き合いくださいませませ…。


さて、そのヴァレンティーナ・リシッツァの『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集』である。これは、現時点において、リシッツァの代表作であるし、今後もずっとそうであろう、と思う。そのピアノは、華麗にして流麗。力強くも繊細。
この凄さを一体、何と表現すべきだろうか…。少なくとも、女性ピアニストにおいては、比肩なき演奏だろう、と感じてしまう。(男性ピアニストの演奏では、ひとつ出色のものがある。それはまた、後日に…)

(ちなみに、少し安価な輸入盤もあります)

国内盤CDに付属しているブックレットの解説によると、ラフマニノフの楽譜の指示を超えて、リシッツァ自身の解釈で演奏した部分も一部あるのだそうだ。
また、オケの指揮者(マイケル・フランシス)は、それまでラフマニノフを振ったことのない人だったようだ。そこで、リシッツァがデモ演奏をあらかじめ動画で送っておいて、テンポなどの意図をレコーディング前に伝えておいたのだという。これは、何という凄技だろうか。前代未聞。流石、元祖(?)ユーチューバー・ピアニストであるw

このマイケル・フランシスという指揮者は、元々はロンドン交響楽団のコントラバス奏者だった。あるとき、指揮の才能を見込まれて、指揮者に転向することになったのだそうだ。
指揮コンクールなどの受賞歴は何もないようだけれども、あの巨匠ゲルギエフが病に倒れた際には、演奏会で指揮の代役を務め上げたこともあるそうだから、決してまるっきりの素人というわけでもない。でも、ラフマニノフを振るのは、リシッツァのときが初めてだったのである。

(マイケル・フランシス、出典:ジャパン・アーツ

きっと、リシッツァは、余程プロデュース能力の高い人なのだろう。『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集』の演奏を聴くと、特にそのことを感じる。
それは、非常に高度な音楽的表現力と、指揮者を凌駕せんばかりのリーダーシップと、それらを統括するセルフプロデュース力である。それらを、高次元の領域で兼ね備えた人物なのではないか、と思う。別の動画を観ると、普段は、実に気さくな人のようで、とてもそんな大人物には見えないのだけれどもw

…とまあ、そのようなことを考えていたら、YouTubeのトップにある、あなたへのおすすめ動画、みたいなところに、リシッツァのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」の動画が紹介されていた。ようつべさん、実に良くわかってらっしゃるw

一見したところ、指揮者は、やはりマイケル・フランシスのようだ。きっと、コンサートのリハーサル風景を、民生機のビデオカメラで撮ったものだろうと思われる。この動画の音質は、CDのそれとは明らかに違う。きっと、ビデオカメラ内蔵のマイクで、そのまま録音したからだろう。

でも、演奏そのものは大変に素晴らしい。リシッツァは、鍵盤を叩くときに、ピョコンピョコンと腰が浮くのが特徴的。マイケル・フランシスの指揮ぶりも、板についているぞw なかなか格好良い。欲を言えば、ピアニストと指揮者がもっとよく見えるように、もう少し寄って撮影して欲しかった…。
しかしながら、リシッツァの手による、ラフマニノフのピアノ協奏曲がDVDでリリースされていない現状においては、非常に貴重な映像だと言える。これは、必見。是非とも、ヴァレンティーナ・リシッツァのラフマニノフをご堪能ください。

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リシッツァのDVDで、唯一単品で発売されているのは、これ。オーケストラとの共演ではなく、ソロコンサートの記録。後日、こちらもレビューしたいと思います…。

Valentina Lisitsa『Live at the Royal Albert Hall』(DVD Import)
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