息子が郵便局のアルバイトを申し込んだ。思えば、僕も高校生のときにやったものだった…

高校2年生の息子が、冬休みにアルバイトをすることになった。郵便局で年賀状を扱う、内勤の仕事である。アルバイトをするのは、これが生まれてはじめてだ。

先日、ネット上のアルバイト申し込みサイトのようなところで、必要事項を入力した。息子がこのiPad miniを使って、氏名や住所、メールアドレスなどを入れたのだ。
これで取り敢えず申し込みは完了で、「面接日時などの詳細は追って郵便で送ります」という内容の自動返信メールがすぐに来た。それを見て、「やっぱり、そういうことは郵便を使うんだね」と息子は苦笑していた。

思えば、僕も生まれてはじめてのアルバイトは、高校2年生のとき、やはり郵便局だった。そんなところは、親子で不思議と一致するものである。
僕の場合は、自転車に乗って、年賀状などの郵便物を配る仕事だった。冬になると、時折雪が膝くらいの高さまで積もる。日が経って凍った雪の上を転ばないように走るのは、案外と骨が折れた。

配達の受け持ち地域は、実家よりも少し向こうの離れた場所だった。土地勘は多少あったので、道に迷うことはなかったのが幸いだ。でも、とにかく寒くて寒くて、実家のそばを通る時には、トイレに入ったり、ストーブで手を温めるために、よく立ち寄った。
その都度、やれ年賀状の束が僕の配達して廻る順番の通りに揃っていないだの、自転車の調子が悪くて漕ぎにくいだの、母に不平を言ったものだ。母は、それを聞いて、「仕方がないでしょ」「それが仕事というものなのよ」などとやんわりと窘めてくれた。

その当時は、郵便局の年賀状のアルバイトといえば、男子は外で配達、女子は内勤、という具合に相場が決まっていた。特に希望を出さない限りは、自然にそう振り分けられたのである。ひょっとすると、それは僕のいた地域だけのことだったのかも知れないけれども。
だから、僕も配達を担当することになったのだ。こちらの方が若干、時給が高かったのだけれども、それでも525円だっただろうか、今と比べれば、相当に安かったのである。

年末年始に10日ほど働いて、5万円くらいになったと思う。貰ったバイト代は、もう使い道が決まっていた。まあ、あっという間に使い終わったのだ(苦笑。
ひとつは、以前の投稿でも書いたことがある、パソコンに繋いで使うテープレコーダーを買った。データーレコーダーと言う。当時は、まだ記録メディアに、カセットテープも使われていたのだ。

僕は、高校生のときの趣味のひとつが、パソコンだった。入学したときに、本体とディスプレイを買って貰ったのである。(その件に関して等は、こちらの投稿をご参照)
そして、月々のお小遣いを貯めては、ゲームなどのソフトを買って遊んでいた。また、自分でプログラムを打つこともあった。それらの記録には、5インチのフロッピーディスクを主に使った。

しかし、生のフロッピーディスクがまだ幾分高価だった時代だ。自分で打ち込んだプログラムは、テープに記録しておいた方が安上がりだろう、と思い、データーレコーダーを買ったのだった。15,000円くらいの値段だっただろうか。
そう思って、アルバイト代を貰うと、駅前にある市内でいちばん大きな電気屋に行き、喜び勇んで購入した。これは、使うことは使ったけれども、考えたほどには利用機会がなかった。だから、今でも程度の良い状態のまま、こうして手元に残っている。

あとは何に使ったのだろうか。もう余りよく覚えてはいない。やっぱり、普段のように、パソコンのソフトやレコードなどを買ったのだと思う。そうやって結局、雲散霧消していったのか。

さて、息子の時給は900円である。僕がアルバイトした当時と比べると、2倍とは言わずとも、それに近い額かも知れない。実に、隔世の感がある…。
僕は、高校生以来だいぶ後になって、郵便局で内勤のアルバイトもやったことがある。郵便番号を読み取って、郵便物を自動的に区分していく大きな機械の番をしているような仕事だった。


(郵便区分機、出典:『平成7年版 通信白書』)

多分、息子もそれと似たような仕事をするのだろう。僕自身にとっては、寒い中を自転車に乗って郵便物を配って廻る仕事よりは、そちらの方が遥かに楽だったように感じた。
ただ、唯一苦痛だったのは、殆ど機械の前に立ってじっと見張っている仕事だったので、時間が経つのが極端に遅く感じられたことだ。僕の場合は、夜勤だったということもあるのだろう、泥のようにゆっくりと流れる8時間の中を、ただもがいていた覚えがある。

息子は、1日に午前または午後の、4~5時間ほどの仕事になる。そのような募集内容だったからだ。残りの半日は、勉強時間にしっかりと当てるつもりのようだ。アルバイトを言い訳に、その冬休みは全く勉強をしなかった、当時の僕よりは遥かに真面目だw
ちなみに、アルバイト代を何に使うつもり?と息子に尋ねたことがある。まだ決めてはいないらしい。取り敢えず貯めておいて、出掛けたときなどに使いたい、とのことであった。これも何だか、堅実だw

まあ、そんなわけで、息子の生まれて初めてのアルバイト。自分で働いてみて、何を感じるのだろうか。蓋し見ものなのである…。

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前回の投稿に書いたように、超望遠のデジカメを注文しました。中古のせいか、ストラップが付属していないので、下のようなものを別途買うことに。汎用品で、割と安価な品物です。手振れ防止にもなりそう。

「手ブレとサヨナラ!! ハンドストラップ グリップストラップ カメラグリップ ベルトで手首を完全固定! 」
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