結局、どんなことでもやっておくもんだなあ、あとで役に立つかも知れないから、とつくづく思うのだ…

トップの写真は、今朝の朝焼け。午前4時半頃に撮った。嵐の前の静けさにして、赤く色彩明瞭な光景である。

しかし、南の空を見遣ると、さにあらず。長い触手のような波状雲が、気味悪く空を覆う。恐らくは、台風の雲が伸びて来たものだろう、と思う。このように、何とも二面性のある、朝の空模様だった…。

下の写真は、先日の日中に撮った、雲の中を飛ぶ防災ヘリコプター。「フライトレーダー24」によると、札幌市消防局の所属である。ここは北海道ではないのだけれども、たまに近辺を飛んでいるようだ。この日、うちの上空を何往復もしていたのである。


塾の仕事は、目下のところ、テストの答案の発送業務が真っ盛り。中学生だけでも、200名近くの分がある。従って、各教科の答案の総数は1000枚までは行かずとも、それに匹敵する数はあると思う。
それらを、全て間違いなく揃えて、ひとりひとりの宛名を貼った封筒に詰めていくのである。また、答案のみならず、個票と呼ばれる成績表が別途発行されるので、それも封入する。

あと、それだけではない。成績上位者順位表や正規分布表、各教科の問題別正答率一覧表など、各種のお知らせも封筒へ入れられていく。すると、一通の封筒には、答案も含めて10〜12枚の書面が入ることになるのだ。
また、それらを入れる順番も、全て決まっている。封筒は、定型最大形の大きさなので、どれも綺麗に折り畳む必要がある。この一連の作業を3日間ほどで終わらせなければならない。

こうして、書き出してみるだけでも、膨大な手間の掛かることが、我ながら分かるw この種の作業は、年に4回発生している。夏期講習の前半および後半の後と、冬季講習や春期講習の後である。
そして、この作業をここ数年は、僕がほぼひとりでやっているのだ。勿論、他の皆さんも手伝ってはくれるのだけれども、殆どを僕が進めていると言っても過言ではないだろう。

それは何故か?僕が、こういった作業に良く慣れているからなのだ。それが傍目で見ていても分かるらしい。ひとりでサッサッと手早く進めているようなのである。
何故、慣れているのかと言うと、前職の会社員時代に、書面を封筒に詰めて発送する、という作業を10年以上に渡って、毎月の定例の業務として手掛けていたからなのだ。

会社員時代に、僕は貿易業務を主な仕事としていた。以前も書いたことがあると思うけれども、マレーシアやイスラエルから材料や商品の輸入を行なっていたのである。
それだけでは、1日分の仕事にならないので、その合間には、営業部の伝票処理などの仕事をしていた。納品書や請求書の発行などを行うのである。

納品書は、営業部の皆さんが出発する前、つまり前日の晩や当日の朝に作っておけば良い。これは、毎日こまめに行っておく業務である。日々、10〜20枚くらい発行する。
請求書の発行は、ひと月に3回行う必要があった。締め日というものが取引先によって、15日、25日、末日と異なっていたからだ。でも、殆どが末日の締めであった。

従って、毎月月末を過ぎると、200社近くある取引先の請求書を発行して、それらを郵送する作業を行う必要があったのだ。請求書には、それに添付するための伝票も同封する。
一旦、請求書を取引先ごとに印字すると、伝票と突き合わせて金額の内訳を一件一件照合する。請求内容に不備があってはならないからだ。電卓を手に、この作業は2〜3日続く。

つまり、僕が会社員時代に毎月毎月行なっていた、請求書のあの作業とよく似たものが、場所を変えて、ほぼ同じ形で塾でも行われているというわけだ。しかも、頻度は年4回だけに軽減されて。
僕にとってはただ、昔を思い出しながら手を動かせば良いので、実に簡単なことである。しかし、他の先生方は、何度やってもなかなか慣れることの出来ない作業らしい。次の講習後までに手が忘れてしまうからであろう。

逆に、僕は、書面の折り畳み方や揃え方、封筒への効率良い詰め方など、手順のひとつひとつをもう手がすっかりと覚えてしまっている。何せ、10年以上もそんなことばかりをしていたからだ。
そんな訳で、年に4回の講習後は、答案の発送業務をいつも僕が頼まれることになっている。仕事を頂戴できて、大変に有難いことである。本心でそう思う。昔に体得した何物かが、今もこうして役に立っているのだから…。

結局のところ、人が生きるとは、そういったことの繰り返しかも知れない、と思う。そもそも、塾で英語を教えているのも、僕が受験生時代に、ひとり一生懸命に勉強した内容が(図らずも)基になっている。
生きているうちに、何でも試してみて、何でもやっておくものであろう。何か些細な事柄でも、後になって何処かで大いに役に立つかも知れないのだから。例え、そのことが今は分からずとも…。


(このところ涼しいので、ねこはワイヤーラックの下で昼寝せず、日中もウロウロと家の中を出歩いている。写真は、お気に入りの息子の座布団の上で。爪がよく引っかかって、表面の糸がほつれて来てしまっているのだ…)
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上の方で「波状雲」という言葉を書いたけれども、このように雲には名前が付いています。下の本は、雲の名前と形が見てすぐに分かるようになっている良書。この種の書籍の中では、いちばん見やすく分かりやすいと思う。写真も綺麗。おすすめです。

『雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑』
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