映画『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品を、DVDでもうひとつ鑑賞してみたのだ…

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先達ての投稿で、SF映画『メッセージ』を観たことを書いた。岡田斗司夫氏のあの秀逸な解説も相俟って、今だに、この作品の余韻は僕の中に残っている…。

このBlu-rayには、特典映像として、監督や原作者などに対するインタビューが多数収められている。僕は、これも全て観た。こちらも、作品理解の上で、大変に参考となったのである。
監督のみならず、製作者や脚本家、またサイエンスや言語学に関する監修者たちなどなど、数多のスタッフが細部までこだわり抜いて作られた映画であることが、とてもよく理解できた。

僕は、サウンド方面についても特に興味を持っているので、音楽の故ヨハン・ヨハンソンや、効果音を担当した人たちに関する映像は、つい食い入るように観てしまった。ヨハン・ヨハンソン氏は、この当時はまだ元気だったのである…。

また、実に面白いと感じたのは、下の写真。この映画では、宇宙人の言語の書法として、墨で描いたような円い文字のようなものが登場する。これは、Blu-rayの盤面やパッケージの裏面にも描かれていた。
そして何と、この宇宙人言語の辞書を、美術監督が一冊まるまる作ってしまったのだと言うのだ。勿論、作品に十分なリアリティーを持たせるためである。一本の映画のために、架空の言語(…しかも、宇宙人語の!)の辞書を制作してしまうとは、これもまた凄いこだわり振りである。

そんなこんなで、特典映像も興味の尽きない映画『メッセージ』だけれども、インタビューの中で、原作者のテッド・チャン氏と編集担当氏がいずれも、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督を知ったきっかけとして、『灼熱の魂』という作品を挙げているのだ。

上は、原作者のテッド・チャン氏。米国在住の作家でサイエンスライターである。氏の短編小説『あなたの人生の物語』を映画化する話が出た際、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督に関する資料として、『灼熱の魂』のDVDが送られて来たのだそうだ。
チャン氏はDVDを観て、この作品を選んで送ってくれたセンスに感銘を受けたと話していた。さてこれは、どんな映画なのだろう?僕は、少し気になった。

あと、別のインタビューでは、『メッセージ』の編集担当氏が、以前『灼熱の魂』を観て、それ以来ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と一緒に仕事をしたいと思っていた、と語っていた。ちなみに、下の写真の左側の人物は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

こう立て続けに名前が上がる作品ならば、是非とも観ておかなくては…と思い、僕は早速、『灼熱の魂』を入手したのである。少し調べてみたところ、この作品のDVDとBlu-rayとでは、音声の仕様が同じようだったので、今回は安価なDVDの方を選択した。

『灼熱の魂』(DVD)

さて、この『灼熱の魂』。『メッセージ』と同様、ふたつの物語が並行しながら、映画が進行していく。この辺りの構成の妙味が、テッド・チャン氏のお眼鏡に叶ったのでは?という気がする。
しかしながら、『メッセージ』と大きく異なり、『灼熱の魂』はSF映画ではない。サスペンス的な人間ドラマといった具合のストーリーである。しかも、非常にややこしい家族の物語だ。

この映画もまた、余り詳しく書くとネタバレになってしまうので、自重しなければならないのだけれどもw、場面によってはドキュメンタリータッチで描かれる『灼熱の魂』は、VFXを駆使して作られた『メッセージ』とは別の意味で、非常にリアルである。
ストーリーの半分(並行している片側の物語)は、内戦の激しい中東を舞台にしている。銃撃や火炎放射など、凄惨な場面も容赦なく登場する。ちなみに、原題は『Incendies』。フランス語である。

手元の仏和辞典を紐解くと、上の様に載っていた。第一義的には、火事や火災。その後には、戦火や激情といった意味が続く。この映画の中では、火や煙がよく出てくる。そして、それを中和するかの様に、水(プールや川)もよく出る。
また、パッケージに描かれているヒロインは、戦火の下、拷問されても屈しなかったという程の不屈の魂の持ち主。きっと、こんなところに、激情という意味が込められているのだろう。

僕は、率直に言って、この映画を観終わって、また何か割り切れない様な思いになった。但し、これは、『メッセージ』を観た後のような、哀しみと希望が相俟った、あの気持ちとはだいぶ異なる。
『灼熱の魂』は、結末がかなり衝撃的な映画だ。例えば、Amazonのレビューでは、もうその件で持ちきりの様子である。でもまあ、僕としては、『メッセージ』のクライマックス(あの電話の場面!)の方が、余程にドキドキしたと思う…。

嗚呼、これまた何だか歯切れの悪い感想になってしまったけれどもw、『メッセージ」の原作者も注目する映画『灼熱の魂』。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督にご関心のある向きは是非ともご覧になってみて下さい。アッと驚くラストが待っていることでしょう…。

さて、僕はいよいよ本命の『ブレードランナー2049』の鑑賞に向けて動き出さねば…。まだ、Blu-rayを買っていないんですよw (そう言えば、これを観るために、『メッセージ』を予習として観たのが、そもそもの始まりだったのだ…)

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以前の投稿でご紹介した、岡田斗司夫氏の動画『 岡田斗司夫ゼミ 高畑勲追悼特集』を、このブログを通じて観て下さる方が多数いらっしゃり、感謝いたします。どうも有難うございます。今回取り上げた『灼熱の魂』も、Amazonプライム・ビデオで観ることが出来ますので、是非とも…。

Amazonプライム・ビデオ『灼熱の魂(字幕版)』
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