これは創作か、それとも現実か…(その2)

前回のつづき)
それから、僕は眼科へ足を運んだ。市内に数年前だろうか、開業したばかりの医院がある。ここは、手術などの設備も整っている上に、日曜日も診療しているのだ。

少々混んでいたので、一時間近く待った。コンタクトレンズを外してから、眼圧検査、視力検査、眼の断層撮影という順に進んだ。
この断層撮影は、小さなモニターを覗き込んで撮ってもらう。赤くてヘアラインのように細い無数の線の上に、緑のドットで描いたXの印。何ともサイバーパンクでレトロフューチャーな映像だった。実にカッコ良い。

それから、眼科医の先生とちょっと問診してから、今度は目薬。例の、瞳孔を拡大させるというやつだ。

これをさしてから20分ほど経つと、まるでカメラのEV値を上げすぎて尚且つソフトフィルターを掛けたような、明るくも柔らかい光景の世界に変貌していく。
ついでに言うと、僕の視力のせいで、結構ピンボケでもある。つまり、ソフトフォーカスのおまけ付きだったw

今度は、奥の暗い場所へ行って、また眼を撮る。きっと網膜の撮影だろう。左右あわせて20枚ほど撮ってもらった。
この後の診察で、この写真を(僕はピンボケで)見た。ここ、ふたつ穴があいていて網膜剥離になりかけていますね、と先生は言う。網膜穿孔という症状だ。その場で、レーザー治療が決まった。

まず、両眼に麻酔薬を点眼してもらう。その後、また別の暗い部屋で、左眼にひたすらレーザー照射である。これで、穴の周りを固めて進行を防ぐというわけだ。
何から何まで、今の眼科はハイテクだ。レーザーを発射させるための先生のマウスクリックが、カチカチと軽快に聞こえた。

さて、レーザーは200〜300発くらい撃ってもらったのだろうか?数えてはいなかったけれども、15〜20分ほど施術をしていたので、きっとそんな数になるのかも知れない…。【追記:どうやら、800発くらいだったらしいです(苦笑)】
パチンパチンとレーザーが目に入るたびに、黄色と緑色の砂嵐のような模様が左の視界に瞬間的に現れる。当たる部位によっては眼の奥が少しズキンとすることもある。もし麻酔が効いていなければ、あまりの痛さに丸椅子から転げ落ちていただろう。

次回の診察は2日後。本日は締めて33000円余りである。ちょっと驚いたけれども、健康保険がなかったら一桁違っていたのだ。あとは、炎症止めなどの薬が三種。これは合計で約1000円だ。
取り敢えず、あのワイパーのように左右する白っぽい目障りな物体は、左眼からもういなくなったように思う。

帰りは、まだ目薬が効いていて、依然として眩しいままだった。外に出てみると、どんな真夏の日中よりも真っ白に、景色は光で満ち溢れていた。しかし、ひんやりとした風が、うしろからそっと肩を撫でていたのである。今は真夏ではなく、確かに秋だった…。


そして、翌日。前の日の眼科のレーザー施術のせいか、体調がいまひとつ優れず、早朝の仕事は早退けした。帰宅してから、4時間くらい泥のように眠った。塾の仕事が休みの日で良かった…。

夢には何故か、某有名人が出てきた。これまた余りにもハッキリした内容の夢だったので、午後はずっとそれを短篇にして書いていた。結末がどうも上手く纏まらなかったけれども…。
体調が良くないのは、前の夜に十分眠れなかったせいもあろう。寝付けなかったので、上の短篇とは別にショートショートを書いていたのだ。

僕は、中学2年の頃に、入院したことがある。そこへ、うさみさんという、クラスで抜群に勉強の出来た子がお見舞いに来てくれた。そのときの思い出を元にして書いた。
夜にはとうとう書き切れなかったけれども、翌日に推敲して一応、完成させた。それで、また「ショートショートガーデン」にアップ。いつものように、本文は400字ピッタリであるw 僕は400字の職人だなw

(「ショートショートガーデン」へのリンクは、右側の欄外をご参照ください…)

……
3週間ほど前のことだけれども、早朝の仕事に来ていた若い子に『秒速5センチメートル』のDVDを貸してあげたことがあった。年齢的にみても、アニメが好きかも知れないと思ったからだ。すると、「新海誠の作品は何も観たことがない」と言う。尚のこと丁度良いと思った。僕は「返すのはいつでも良いから。お時間のあるときにでも観てね」と言って渡した。
その次の日は、あの強烈な台風の日だった。その子だけでなく、何人もの人が休んだ。でも、その子は、次の週になっても、更に次の週になっても仕事に来なかったのである。元々、欠勤の多い方ではあったけれども、さてどうしたのだろう?と皆が不思議がった。ずっと休んでいる理由は、誰にも分からなかった。
その子は、今でも仕事に来ていない。スマホに電話を掛けても出ないのだそうだ。連絡もつかないというわけである。僕は、あのDVDを場合によっては差し上げても良いと思いつつ貸したので(いずれBlu-rayに買い換えるつもりだった)、もし返ってこなくても構わない。それにしても、気になるのはその子の消息である。今頃、何処でどうしているのだろうか…。

…さてさて、これも創作か、現実か…⁉︎w

『秒速5センチメートル インターナショナル版』(Blu-ray)
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