豪雨被害の原因は?

いつものように虎ノ門ニュースで武田先生の話を聞いていて、驚くとともに納得してしまった。それは・・・

1,確かに今回の福岡大分の豪雨はすごかったのだが、本当に記録的豪雨なのか。新しい観測地点ができれば、すぐにその地点における記録が生まれるのでは?今回のケースなら九州全域での記録を越えたかどうかの検証が必要。記録的豪雨だから起こった天災ではなく、普通の豪雨で生じてしまった人災ではないのかとう視点が必要。

2,よく使われる言葉に、『この一日で、1ヶ月間の降雨量が、或いはその1.5倍が一気に降ったことになる・・・』があるが、元々1ヶ月の降雨量は平均3日ほどで降ってしまうもの。雨とそんなもので、雨の量が3倍になれば3日が1日になる。雨とはそんなものなのに、何故か、集中豪雨を強調して報道したいのか、わざわざ『この1日で1か月間の雨が一気に降ったことになる・・』と報道してみせる。

3、流木の被害について:森は、自然のままの広葉樹林+植林された針葉樹林からなり、針葉樹林は定期的に間伐が行われる必要がある。間伐が行われないと、針葉樹の足元に光は届かなくなり、結果やせ細った線香木となり、山の保水力も低下し、ちょっとした雨でも根こそぎ流されてしまうらしい。今回のニュース映像で見た大量の流木は、そうやって作られた可能性がある。多分林業関係者の中では、常識的意見ではないだろうか。

http://www.zenmori.org/kanbatsu/report/01_2.html

つまり、それほど記録的な豪雨でもない豪雨が、国の森林対策の失敗によって保水力を失った山に降り、今回の山崩れや流木被害を引き起こした限りなく人災に近い側面があるのだと。

この見方は若干一方的なのかもしれないが、こういった視点を全く持たない報道には、大きな疑問を感じる。

 

 

気象庁のHPを覗いてみたら、一日降水量ランキングは以下のごとく。

今回は、『福岡県朝倉では、5日15:38までの1時間に観測史上1位となる129.5mm、また18:20までの24時間で、7月1か月降水量の平年値(354.1mm)を上回る379.5mmの降水量を観測するなど、福岡県筑後地方や佐賀県南部、大分県西部では5日午後、記録的な豪雨となっています。』

つまり、今回の一日降水量は380㎜ほど。そんなに記録的?

日降水量 (各地点の観測史上1位の値を使ってランキングを作成)
順位 都道府県 地点 観測値 現在観測を実施
mm 起日
1 高知県 魚梁瀬 851.5 2011年7月19日
2 奈良県 日出岳 844 1982年8月1日
3 三重県 尾鷲 * 806.0 1968年9月26日
4 香川県 内海 790 1976年9月11日
5 沖縄県 与那国島 * 765.0 2008年9月13日
6 三重県 宮川 764.0 2011年7月19日
7 愛媛県 成就社 757 2005年9月6日
8 高知県 繁藤 735 1998年9月24日
9 徳島県 剣山 * 726.0 1976年9月11日
10 宮崎県 えびの 715 1996年7月18日
11 高知県 本川 713 2005年9月6日
12 和歌山県 色川 672 2001年8月21日
13 奈良県 上北山 661.0 2011年9月3日
14 高知県 池川 644 2005年9月6日
15 徳島県 福原旭 641.5 2011年7月19日
16 沖縄県 多良間 629 1988年4月28日
17 高知県 高知 * 628.5 1998年9月24日
18 宮崎県 神門 628 2005年9月6日
19 静岡県 天城山 627 1983年8月17日
20 和歌山県 西川 626.0 2011年9月3日

 

 

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