Brexit

イギリスに来たついでに古い友人と会って、夕食を共にする。
イタリア人の彼とは、もともと会社で同僚で、あるプロジェクトのため一緒に仕事するうち友人になったのだが、その後彼はイタリアでのキャリアに見切りをつけて、イギリス支社への転勤を志願した。今はイギリス国籍もとって、イタリアとの二重国籍である。
長い間会わなかったので、去年Brexit の国民投票のとき、どちらに投票したのかまだ聞いていなかった。
彼は、Brexit 賛成に投票したそうである。理由は、無制限の移民をストップするため。「僕の故郷であるイタリアは、すでに無制限の移民によって破壊されてしまったが、イギリスに同じようになってほしくない」という。EUにいる限り、東欧のEU諸国からの移民をこばむことはできない。ポーランドからの移民はすでに百万人に達している。ボストンという町では人口の半分近くがポーランド人になってしまったそうである。イタリア人の移民だって二十万人いて、彼もその一人だったわけだが、一旦イギリス国籍を取ってしまえば、彼の利害はイギリス人の利害と同じになる。今現在イギリスにいるEU移民には滞在し続ける権利を保障しつつ、新規の移民をブロックしなければならない。Brexit によって、本社機能をロンドンから大陸に移す多国籍企業もあるだろうし、経済的には悪影響があるだろうが、それでも移民を制限するほうがもっと大切だという。
ヨーロッパ大陸から見ていると、Brexitとは狂気の沙汰かと思われるが、イギリスの視点から見ると、それなりに筋が通っていると思わざるをえなかった。

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