歴史問題に正解はあるのか?

休日、有馬哲夫さんの「歴史問題に正解」


を読んだ。

著者は、「本書は、日、米、英の公文書館や大学図書館などで公開されている一次飼料に基づいて歴史的事実を書いたものである。」、「読者による反論も可能である。」、「歴史を議論するとき、根拠を示すということは重要である。」とまえがきで述べている。
そのために巻末に148もの出典を載せている。
目次を見ても
 第1章 「南京事件」はプロパガンダから生まれた
に始まり、
 第4章 北方領土はこうして失われた
 第6章 日本は無条件降伏していない
 第9章 現代中国の歴史は侵略の歴史である
 第10章 日韓国交正常化の立役者は児玉誉士夫だった
などなど、刺激的である。
しかし、出典をいちいち確認して読むわけにはいかないので、本当に正しいのかどうか判断できない。
そもそも、これらの出典を読み直し、再反論する人ってどんな人だろう。
メモとして目次を記載する。
目 次
まえがき
第1章 「南京事件」はプロパガンダから生まれた
世界記憶遺産登録は中国にとっての試練/日本人は占領軍によって「知らされた」/なぜ三〇万人になったのか/歴史資料は三〇万人説を裏付けられるか/本当の問題はどこにあるのか/責任は誰にあるのか/プロパガンダと歴史的事実を峻別すべし
第2章 真珠湾攻撃は騙し討ちではなかった
トムゼン報告書が騙し討ち説を覆した/日本人に最初の一発を打たせよ/アメリカは参戦したかった/真珠湾は想定外だった
第3章 ヤルタ会議は戦後秩序を作らなかった
ヤルタ、ポツダム会議はただの言い合いだった/ヤルタ会議はルーズヴェルトの選挙対策だった/自国のものでもないのに勝手にソ連に与える/会議文書の管理はきわめて杜撰だった
第4章 北方領土はこうして失われた
極東密約はポツダムではなくモスクワで話し合われた/国務省は北方四島を日本に残すよう勧告/千島引き渡しははっきりと議論されていない/北方四島を引き渡しに含めたのはソ連のスパイ/アメリカ議会は極東密約を破棄した
第5章 ポツダム宣言に「日本の戦争は間違い」という文言は存在しない
志位委員長、天に唾する/グルーはルーズヴェルトの方針に反対した/グルーはどう戦ったか/皇室維持条項がポツダム宣言の肝だった/原爆実験成功が皇室維持条項を削除させた
第6章 日本は無条件降伏していない
無条件降伏は政治的スタンド・プレーだった/だれも無条件降伏の意味を理解していなかった/日本側は敗戦によっても権利が奪われないと理解した/天皇は國體護持が認められたと理解した
第7章 原爆投下は必要なかった
対日感情で原爆投下の是非が変わっていいのか/アメリカ政府見解は誤りだ/スティムソン対グルー/原爆投下派が「歴史」を作った/グルーとドゥーマンの反駁/ドゥーマンは戦い続けた/忘れてはならないスティムソンの功績
第8章 天皇のインテリジェンスが國體を守った
戦争を終わらせたものは何か/國體とは何か/天皇は敵性放送を聞いていた/スイスからもインテリジェンスがきていた/ポツダム宣言の受け止め方/スイス公使はポツダム宣言受諾を説き続けた/インテリジェンスが終戦をもたらした
第9章 現代中国の歴史は侵略の歴史である
中国はポツダム宣言と無関係/中国は何をしてきたか/中国とソ連のアジア分割密約/中国のチベット侵略/朝鮮戦争と同時にインドシナ浸透作戦/ミャンマーへも侵攻/朝鮮戦争参戦によって勢力圏
第10章 日韓国交正常化の立役者は児玉誉士夫だった
児玉とは何者か/児玉を国賓に/児玉は朝鮮半島とどう関わっていたか/韓国はこうして反日国家になった/アメリカは李が邪魔になった/児玉は朴政権の恩人になった/児玉が日韓国交正常化をリードした/児玉はどうCIAと関わっていたのか/それでも問題は残った
第11章 尖閣諸島は間違いなく日本の領土である
尖閣諸島問題の起源/台湾の歴史無視の主張/台湾の主張のどこがおかしいか/アメリカは調査の結果、尖閣を日本に帰属させた/台湾側の反発/尖閣諸島を守るのはアメリカではなく日本
あとがき
註釈
初出について
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