ザポリッジャ原発、「原子力事故を辛うじて回避」とゼレンスキー氏 送電が一時遮断/危機迫る ウクライナ原発で作業員が大量脱出、安全性にリスク/独首相、自走式対空砲「ゲパルト」のウクライナ兵向け訓練視察/中国が狙う台湾中間線「無実化」、注目される米国の対応

ザポリッジャ原発、「原子力事故を辛うじて回避」とゼレンスキー氏 送電が一時遮断


<ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日、ロシアが占拠するザポリッジャ原子力発電所がウクライナの電力網から一時切り離されたため、欧州が放射線災害の危機に直面したと述べた。そして、原発を安全に稼働させることができたのは、バックアップ電源があったからだと付け加えた。>
<国際原子力機関(IAEA)は、「原発施設外の電力網から安定した電源」を確保することが「原子力の安全を維持する上で不可欠」だと警告した。>
ザポリッジャ原発近隣で発生した火災の様子
<ザポリッジャ原発は通常、ウクライナ国内の総電力の5分の1を供給している。送電網からの切断が続けば、ウクライナにとって深刻な問題が生じることになる。
ロシア軍は同原発を3月初旬から占拠しているが、ウクライナ側の原子力技術者によって稼働が続けられている。
ロシア政府はIAEAによるザポリッジャ原発視察を認める意向を示しているが、それが実現するまでは現場で何が起きているのかを検証することは難しい。>
<ザポリッジャ原発をめぐっては、ロシアがウクライナの送電網から同原発を切り離し、最終的にロシア側の送電網に接続しようとしていると、ウクライナ政府は主張している。>

ロシアが自国の占領地に電気を供給するため、ウクライナ国内への送電を変えようとしている。
その際、何らかのトラブルで原発の安全装置が作動しなくなる可能性もある。
一方、次のような記事があり、原発を動かす人材が足りなくなる恐れも出てきた。

危機迫る ウクライナ原発で作業員が大量脱出、安全性にリスク


<ウクライナ・ザポリージャ(CNN) ロシア軍がウクライナ南東部にあるザポリージャ原子力発電所付近の町で砲撃を始めた時、発電所に勤務するエレナさんは脱出するときが来たと決心した。>
<原発周辺でのロシア軍の行動が招く結果への懸念から、作業員の大量脱出が進む状況が生まれている。>
<前述のエレナさんは、原発の作業員が同地にいるロシア軍に恐怖を感じていると語る。兵士らは機関銃を携行して歩き回り、夜には「酒に酔って空に向かって発砲する」という。>
<発電所での勤務に危険性が高まっている状況に、残された作業員の精神的なプレッシャーは増している。原発に残るダリアさんによると、自分の部署では10~15%のスタッフが残っているが、日々「力を失った怒り」を感じながら過ごしているという。>
<「私の唯一の望みはウクライナ軍だ」とダリアさんは語る。一方で、ロシア軍が来たら何をされるだろうかとの恐怖も抱いている。
「彼らは『お前たちを破壊する』と言うのが好きで、そのための命令も受けている。それが人々が逃げ出している理由だ」>

原発の安全装置をバックアップする外部発電があったとしても、それを動かす人が不足すれば、原発が停止し安全装置も動かず、放射能物質がまき散らされるかもしれない。
国際法で原子力発電所に軍隊を置くことを禁止すると決めてもロシアが反対すれば、どうしようもない。
話し合いも出来ないのか。

独首相、自走式対空砲「ゲパルト」のウクライナ兵向け訓練視察


<【8月26日 AFP】ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は25日、北部オルデンブルク(Oldenburg)近郊で自走式対空砲「ゲパルト(Gepard)」の使い方の訓練を受けるウクライナ兵を視察した。>

ロシアからの天然ガスが供給されずに困っているドイツがウクライナ兵を訓練し、それを首相が視察する。
ドイツの覚悟が分かる。
しかし、戦いが長引き、この冬にエネルギー不足で凍死者など出れば政権が持たないぞ。
逆に考えると、①短期でロシアを打ち破る方法が見えたか、②エネルギー供給の目途がついたかのどちらかだ。
①であれば、11月のワールドカップ⚽どころではないかもしれない。
②であれば、ロシアとのウクライナとの戦いは冬を越す。
新年を祝う気にもならないかもしれない。
本当に両国のどちらかの大統領が暗殺されなければ停戦できないかもしれない。

焦点:中国が狙う台湾中間線「無実化」、注目される米国の対応


<[台北 26日 ロイター] – 台湾海峡に設けられた「中間線」はこれまで70年近く、地域の平和維持に貢献してきた。しかし、近代化された中国海軍が勢力誇示の動きを強めるとともに、中間線の存在する意味は薄れる一方となっている。>
<台湾政府の安全保障計画に詳しいある高官は「中国側は圧力を高め、最終的にわれわれが中間線を放棄するのを望んでいる。彼らは、中間線放棄を既成事実化したいのだ」と述べた。>

古くは鄧小平氏は対立する項目はグレーゾーンとしていたが、習近平政権になってから、白と黒をはっきりさせるようになった感じがする。
これは、中国の力が強くなって、本来は大陸に向かっていたものが、海洋(太平洋)に勢力を拡大するようになってきた。
習近平主席は中国を世界一の大国にしてその名を歴史に残すことが目的ではないか。
そういう面ではロシアをソ連時代に戻そうとするプーチン大統領と同類かもしれない。
ウクライナとの結果がどうなるか分からないが、次は習近平主席が暗躍するに違いない。

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