見事にタイミング良く雲が引き、皆既月食が見えた。勿論、写真に撮ったのだ…(その3)

2018年1月31日から2月1日かけての晩における皆既月食について、その3である。(その1は、こちら。その2は、こちら

月面が赤銅色になる時間は終わった。下の方から、眩しいほどの白い光が再び現れ、月はまた満月へと向かう。時刻は、午後11時20分を過ぎたところだ。
僕は、ニコン P900の設定をトワイライト撮影モードに戻した。また、ラベンダーに染まった月を撮ろうという算段である。トップの写真は、その1枚目。

当初は、自作望遠鏡にiPad mini2を取り付け、あの白くて細い三脚に据えた撮影も行うつもりであった。しかし、ここまで来ると、やはりP900に特化した撮影で十分だった、という気がしてくる。
たぶん、iPad miniの方でも撮影を実行していたら、余りにも忙しくなってしまい、こんなにじっくりと月を眺めてはいられなかっただろう。記録性も確かに大切ではあるけれども、それだけではない。愛でることもまた、重要である。

その点で、僕は今回のこの皆既月食を十分に味わうことが出来た。そう感じている。次の皆既月食は、今夏7月28日の明け方。皆既中に月没となってしまうという、これまた何とも忙しそうな星巡りである。
…ということは、西の空に向かっての観測である。先達て夕暮れを撮りに行ったような、富士山が遠く向こうに見える場所などが好適だろう。富士山と皆既月食。なかなか良い取り合わせではないか。

その日は、いつもよりちょっと早起きして、P900や三脚を担ぎ、その場所まで観測と撮影に出掛けてみようか。今回のこの味わいを、是非とも次に繋げていこう。そんなことを考えていた。
そうしている間に、月は夜空でぐんぐんと勢力を増すようにして、光明の面積を拡大していく。僕は、トワイライト撮影モードのまま、シャッターを切った。

これだけ満ちてくると、皆既月食はもう終わりに近い。それに連れて、辺りから少しずつ雲が出始めた。まるで、この天体ショーの終了を待っていたかのようである…。月が徐々に、傘を被ったように朧になっていく。
その前に僕は、トワイライト撮影モードのまま、ひとつ動画を撮った。ふと、このモードのまま撮れるのだろうか?と思い、録画ボタンを押してみたのである。薄紫色のまま、ズームした月の動画が撮れたのだw

長さは、1分弱。やや手振れがありますが、月食特有の、ほんのりと欠けている部分などが興味深いと思います。どうぞ、ご覧ください。

さて、このあと僕は、トワイライトモードを解除して、通常の撮影モードに戻した。白い月は益々朧になり、徐々に雲に呑まれていく…。その姿を惜しむように撮り続けた。

そして、再び満月に戻る頃にはもう、姿が見えなくなっていたのである…。僕は、午前0時18分に撮影をやめた。結局、今回の皆既月食は、雲に邪魔されることなく、こうして殆ど全て楽しむことが出来たのだ。何と恵まれた天気だったのだろうか、と思う。

このあと約2時間、僕は200数十枚も撮影した写真のセレクトや、SNSのアップロードなどを行なった。午前2時過ぎになり、もう寝ようかという頃、ベランダに出て、また空を見上げた。
すると、先ほど月を覆い隠していた雲が、その周りからすっかり引いていたのである。南西の夜空には、煌々とした月が再び見えていた。これは、月食の前よりも、一際に眩しい満月だった。

(この写真は、午前2時39分に撮影。翌早朝の仕事は、事前に有給休暇を取って休みました)
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