息子と一緒に遥々、2泊3日のお出かけなのだ…(その1)

先達ての土曜日から、息子とお出掛けである。とある大学を受験するので、僕が車で連れて行ってやるのだ。

行き先は、何を隠そう、僕の郷里であるw だから、僕にとっては数年ぶりの帰省だ。盆暮れなどの時節は、塾の仕事が多忙なので、なかなか実家に帰ることは叶わない。こういった機会を見計らって、行くことにした。
しかしながら、月曜日は夕方から塾の仕事が入っている。息子の入試も月曜日。従って、その日の朝、大学の前で息子を下ろしたら、僕は実家には戻らずに、そのままうちに帰るのだ。そんな訳で、この日だけ、ちょっと強行軍なのであるw

息子も、試験が終わったら、そのまま電車に乗って帰って来るのだろう。入試を受けるのは、この一校だけではない。来週からも、まだまだ試験が控えているのだ。
まあ、実家に行くときくらいは慌てずに…ということで、入試前日の日曜日ではなく、土曜日に移動することにした。そこで、お昼過ぎに、僕の愛車にふたりで乗って出発をしたのである。

まずは、首都高速に乗る。それから別の高速道路に乗り継いで行くのだ。この車で高速道路を走るのは何年ぶりになるのだろう?ひょっとすると、4〜5年は下らないかも知れない。
首都高の料金所を通過。ETCのピンポーンという軽快なチャイムが聞こえた。こういった音もまた、暫くぶりである。僕は、本線に入り、加速をすべく、アクセルを踏む右足に力を入れた。

この車のi-VTECエンジンが、一気に9000回転近くまでスムースに吹け上がる。上手く流れに乗ることが出来た。…と思ったのも束の間、エンジンルームの下あたりから、シャリシャリーという何かを猛烈なハイスピードで擦ったような音が聞こえ始めたのである。
僕は、咄嗟にエンジントラブルが発生したのだと思った。エンジンルーム内のベルトが回転している付近から、この異音が発生しているように感じたからだ。

直ぐさま、左の車線に寄り、その先に見つけた非常駐車帯に停めた。慎重に車を降り、ボンネットを開けた。アイドリング中のエンジンは通常通りに回転していた。目視では、ベルトに異常は見られない。
はて、あの擦れるような変な音は何だったのか?取り敢えず、車を再発進させ、数km先の出口で一般道に下りることにした。首都高を一区間だけ利用につき、300円の通行料金だった。

不思議なことに、一般道を時速40kmくらいの速度で走っていると、あの音は全く発生しない。試しにクラッチを踏んで、走りながら空ぶかしをしてみれども、異音はなし。
ははーん、音の正体が何となく掴めてきた…。前輪もしくはエンジンルームの下あたりに、異物か何かを巻き込んだのであろう。例えば、風に舞って来たビニール袋とか。そんな感じの現象なのではないか?

一旦は自宅に戻ろうと思い始めたので、そちらに向けて走っていると、前方にやや大きなホームセンターがあった。広大な駐車場には空きスペースが見て取れる。あそこに停めて、今度は車の下を見てみようと考えた。
さて、車から降りて、地面に頭が擦れるほどに、よくよく下回りを観察してみると、エンジンルームの下から、黒い物体が少し下がっていた。プラスチック製のカバーである。手で触ると、半分くらいがペコペコと上下した。


(エンジンルーム下のカバーが少し垂れ下がっているところ)

自動車のエンジンルームの下には普通、こういった平らなカバーが取り付けられている。異物を下からエンジンルームの中に入れないようにするためだ。このカバーを留めておくための円いクリップが幾つか取れて無くなり、カバーが垂れ下がり始めていたのだった。
高速で走行すると、このカバーが前方からの風を受けて反り、地面に激しく擦れたのだ。その代わりに、低速走行中は、プラスチックの可逆性によって(元通りに)上に持ち上げられているので、地面に擦れず異音が出なかったのだ。

これを直すには、取れて無くなってしまっている円いクリップを再び留めるしかない。この車を買ったディーラーに持って行こう、と直ぐに決めた。そこから、更に15分ほどの距離である。
ディーラーに着くや、応対に出て来てくれた受付の方と整備士さんに、上のような内容をひと通りお話しした。すると、整備士さんは、ではクリップを留めてみましょう、と言うので、僕は早速お願いをしたのだった。

その間、僕と息子は受付の方が出してくれたコーラを飲んで待っていた。10分か15分くらい経つと、作業が終わりましたのでご覧下さい、と言う。整備工場へ行くと、高くリフトアップされた我が車の姿があった。
見ると、あのカバーが見事に固定されていた。クリップが外れたところ(5〜6箇所ほどの穴)には全て、黒く真新しいそれが綺麗に嵌められていたのである。いずれも眩く見えたのは、整備士さんが手に持っていた懐中電灯のせいだけではあるまい…。

しっかり留めることが出来ましたので、暫くこれで様子をみてください、と仰る。実に、頼もしいことである。様子をみるどころではなく、これは完璧なお仕事に思えたからだ。そのくらいに丁寧な出来栄えだった。
そして、そのまま「では、いってらっしゃいませー」と誘導された。つまり、作業代金が掛からなかったのだ。大変に有難いことだ。やはり、この車を(十数年前に)買ったところへ持って来たメリットなのだろうか?感謝に絶えない思いである…。

そんなこんなで、再び首都高に乗ったのは、最初に出発してから丁度1時間後であった。時間を幾分ロスしてしまったけれども、最初に発覚して良かったのかも知れない、と思う。簡単に下りて戻ることが出来たからだ。
その後は、順調な走行であった。僕が絶大な信頼を寄せる、この赤きRマークの付いた愛車は、いつでも僕の手足のように動いていってくれる。いっときはエンジンの不調を疑ったけれども、そうではなくて本当に良かった。


(整備士さんに新たに留めて貰った、プラスチックの製の円いクリップのひとつ)


さて、出だしで慌ててしまったので、すっかりと昼ごはんを食べ損ねてしまった。
午後3時を過ぎたところで、富士山の見えるSAに立ち寄った。そこでタコ焼きを買い、景色を眺めながら食べた。きっと息子もお腹が空いていたのだろう、あっという間に食べ終えたのである。

上は、そのSAで撮った富士山。やや曇りがちで、頂上が隠れてしまっていたのが、ちょっと惜しい。この日は、暖かい晴天ではあったけれども、実に風の強い1日だったのだった。
それから、高速道路を途中で下りて、滑り止めとして受ける別の大学のキャンパスにも立ち寄ってみた。外から建物を眺めただけだったけれども、パンフレット通りの近未来的な外観であった…。息子も感心していたようである。

さて、暗くなる前には、実家に辿り着くことが出来た。僕は、ひと休みした後、荷物を広げて早速いろいろな撮影の準備をした。下の写真は、西の山の端に陽が沈んでいく様子。ニコン P900のトワイライト撮影モードで撮った。
これは、自宅の方で撮る日没とはまた、ひと味もふた味も違う気がするのだった…。やはり、空気の清浄なところなのであろう。森林があるのも良い。この晩は、満天の星空を期待して、まずは天体の撮影を行ってみることにしたのである…。(次回に、つづく)


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