お掃除はやっぱり、気分の良くなるものなんだね、なのだ…

トップの写真は、先達ての土曜日の夜明け前の空。この日、僕は午前5時過ぎに目が覚めてしまった。息子の時計のアラームが聞こえたからである。でも、当の息子はずっと寝ていたのだw

まあ、僕は元々、この日の朝は早起きして、久し振りに黎明の東天を撮るつもりでいた。下から金星と月と土星と木星がずらりと並ぶのである。ニコン P900で、先ずはそれを撮影した。
そして、望遠で月を撮ってみる。大気の揺れが激しく、ズームで観るとゆらゆらと像が乱れていた。4000mm相当でも撮影してみたけれども、まあ一応見られるレベルに写ったかなw

あと、良い機会なので、土星の撮影にも挑戦した。確か、半年以上ぶりである。この日は、下の写真のように、月のすぐ斜め右上に位置していたのだ。

前回撮ったのは、昨年のゴールデンウィーク中だった。その撮影時には、土星の輪までが割とよく写ったものである。そのときのカメラの設定をまた活用した。しかし、やっぱりシーイングがよろしくない。
ISOの値を変えながら何枚か撮って、いちばん写りの良かったものをAdobeの写真アプリで調整。まあ、何とか土星本体と輪が判別できるレベルになったかも。

昨年の写真には遠く及ばないけれども、今回のコンディションではこんなもんであろう。土星と木星については、またいつか撮影の機会を伺ってみようと思う。


僕が早朝に行っている仕事場に、Iさんという人がいる。このブログでは既に何度か登場している。直近では、先月。Iさんの自転車の泥除けが曲がってしまい、Yさんという自転車屋さんをやっている人に、一瞬のうちに直して貰ったのだ。

それ以前の登場は、昨年の6月頃だった。僕はよくお腹が猛烈に痛くなる、という話のとき。Iさんも似たようなことがある、と言っていたのだ。そのときIさんは、「腸捻転かなあ」と言っていたものだ。
その後、Iさんはスマホでネットを駆使して、自分の腹痛の原因を調べていたようだ。下っ腹が少し出てきた、という症状もあるのだそうで、それはまるで、お腹の中で何かが下がって来たかのような…。

どうやら、脱腸らしい。Iさんは、ほぼそう断定した。腸がお腹の中でズレて下がって来た病気だと言うのである。放っておいてもそんなに実害はないのでまだ病院には行かないぞ、とも言っていた。
でも、早朝の仕事は物の上げ下ろしなど軽作業が伴うので、お腹にやや力が入るときがある。そうなると、Iさんは不便を感じるようだ。お腹の中で腸が下がっているのが気になるのだそうである。

そして、その対策のために、Iさんは独自に「脱腸バンド」なるものを考案した。ネットでそういったものが売られているのを見て、自分で作れないものかと思案したらしい。
家にあった腰痛ベルトや普通のゴムのバンドなど、幾つかの材料を試したのだそうだ。それで、これは緩くて駄目だとか、これはきつ過ぎるとか、自分で装着しながら感触を確かめているのだと言う。

最近身に付けているのは、4つ目のものらしい。その前の3つは、どうもイマイチだったと言う。材料が何であるのか僕には分からなかったけれども(…と言うか、聞いたような気がするけれども忘れたw)、その4つ目がいちばんフィットしているのだそうだ。
そうやって、取り敢えずは腸をバンドで持ち上げておけば支障はないようである。病院に行けば良いのに、と僕なんかは思うのだけれども、手術に十数万円かかるとかで今も逡巡しているようだ。



まあ、そんなIさんが先週、「ちょっと。俺の最近の趣味を訊いてよ」と言ってきた。僕はその発言の意味がよく分からなかったけれどもw、言われるままに「最近の趣味は?」と訊いた。
すると、Iさんは待ってましたとばかりに、「俺の趣味は、トイレ掃除だ」と言った。つまり、その話題に触れたかったのだろう。いつも、こんな風にお茶目な人なのだw

続けてIさんは、「トイレ掃除を一生懸命やると、気持ちがとてもスッキリする。それから、もっと他の掃除がしたくなってくるんだ。なんでだろうね?」と嬉々として話す。
僕が「きっと、心も一緒に綺麗になるからでしょうね…」と答えると、Iさんはすぐさま「そうなんだよねー」と続ける。「それで結局、家中を綺麗に掃除しちゃうんだ」とも。

それで思い出したのが、だいぶ前にネットニュースで読んだ記事だった。とある大物お笑いタレント氏が、居酒屋のトイレに行くと必ず掃除をして帰って来る、という話だ。
Iさんが僕に、「家に帰ったらトイレ掃除をやってみなよー。この気持ちが分かるからー」と何度も言うので、「そう言えば…」と僕は思い出すままに、その大物タレント氏についての話をした。

それについては、Iさんも知っていたようで、「そうなんだよね。だから、あんな大物になるんだろうね。実は俺も、トイレ掃除をやると金運が良くなるって聞いたから始めたんだけど(笑」と、つい本音が出て来たようである。
実にお茶目なIさん。金運目当てでトイレ掃除を始めたのだけれども、気分がスッキリするので家中を綺麗にするのが日課のようになった、と言うのだ。つい、僕も見習いたいという気がした…。

…でも、斯く言う僕も、仕事場の塾のトイレを綺麗にすることがよくあるのだ。お小水が床に溢れているのを目にすると、トイレットペーパーを少々切って綺麗に拭いておく。やはり、ちょっと気分がスッキリするように思うのである…。

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昨年だったか一昨年だったか、図書館で借りて読んだのだけれども、その後、いつの間にか除籍されていてもう読めなくなってしまったかに思われた本。先日、古本で漸く入手した。著者の故岡枝慎二さんは、英仏独伊露西の6ヶ国語の映画字幕翻訳を手がけたという「天才的マルチリンガル」(下記書籍のプロフィールより)。英語の字幕翻訳では、『スターウォーズ』『ブレードランナー』『ダイハード』『ターミネーター』『ベンハー』『誰が為に鐘は鳴る』『北北西に進路を取れ』などなどが有名。つまり、翻訳界の物凄い大御所なのである。
そんな岡枝さんが、字幕翻訳のノウハウや裏話を余すところなく(?)披露した書籍の一冊が、下の『スーパー字幕翻訳講義の実況中継』(1989年初版)だ。他にも生前に何冊かものしておられたけれども、この『実況中継』が特に面白い。このシリーズは大学受験参考書として、山口俊治先生の『英文法講義の実況中継』が特に知られている(僕も受験勉強時にとてもよく読んだものだった)。でも、岡枝さんのこれは大学受験勉強とは無関係。そういう意味では、気軽に手に取って読むことが出来ると言えると思う。ちなみに、岡枝さんは語学が独学、海外渡航歴も皆無だったらしい。その一方で、実に幅広い知識と教養を備えておられたことが、著書を読むとよく分かる。日本国内の映画産業においては至宝のような方だっただろう、と感じられるのだ。

岡枝慎二 著『スーパー字幕翻訳講義の実況中継』 (実況中継シリーズ)
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