ニコン P900で、ふたご座流星群の撮影を試みたり、ISSを狙って撮ったり。天体ショーでも、このカメラはやはり大活躍なのだ…

先週のことになるけれども、ふと思い立って星空の日周運動を撮影してみた。そろそろ、ふたご座流星群の極大が近付いてきたからである。南東の方角、オリオン座とふたご座の間あたりにレンズを向けた。それが、トップの写真だ。

ニコン P900の「タイムラプス 星軌跡」撮影機能は150分間。午後11時ちょっと前から撮り始め、あとは放っておいて就寝した。
あとで動画となった映像を見ると、途中から薄雲が出たらしい。従って、これは開始から1時間くらいの長さの静止画として切り出したものである。

1回のシャッターにつき25秒ずつのバルブ開放なので、その間に流れ星が落ちれば写り込む筈だ、といつも思うのだけれども、今回もそれは捉えられていなかったようだ。なかなか難しいものである。但し、夜間飛行の航空機の光跡は写っている。

左下から右上のちょうど対角線上に、点々と小さな赤い光が見えると思う。
これは、成田発の旅客機か航空貨物機、いずれにせよジェット機が通過した跡だ。11時を少し過ぎた頃に飛んでいたらしい。旅客機ならばドバイかドーハ行き、もし航空貨物ならばソウルかチンタオ行きといったところだろうか。


さて、翌々日の朝。あまり良く眠れなかったせいか、午前3時過ぎに起きてしまった。まあ早朝の仕事に行くために、どうせ4時半前には起床しなければならないのである。
コーヒーを淹れコタツにあたっていて、ふと思い出した。前夜(つまりトップの写真の翌夜)は結局、雲が多くて夜空の写真が撮ることが出来なかったことを。ふたご座流星群の極大日だったのだ。

午前4時になる少し前、ニコン P900を三脚に据えて西の空に傾くオリオン座を覗いた。その星座を含む冬の大三角がちょうど真ん中に収まる構図にする。これでタイムラプスを撮るのだ。上の写真の、緑色のラインが冬の大三角、黄色はオリオン座である。(追記:オリオン座の黄色い線を少し直しました)

それから、僕はコタツに戻り、コーヒーを啜りながら、電子辞書に収録されている太宰治の短編を読んでいた。そうやって、早朝の出勤の時刻まで待つつもりだ。
すると、撮り始めてから15分ほどで、流星のハッキリとした軌跡がひとつ写っていたのである。それが、下の写真の赤い矢印だ。これは、僕がP900で初めて捉えた流れ星なのである。嗚呼、遂に撮れた…。

時が経つこと約2時間後、徐々に明け染める濃い青色の空に、あとふたつの流星が短く写っていた(下の赤い矢印2本)。こうして、今回は合わせて3つもの流れ星を撮ることが出来たのである。かなり満足だw

星たちの軌跡を残したまま、夜は明けていった。こうして、P900のタイムラプスは、朝陽にホワイトアウトしながら終わったのである…。

さて、上にアップした流星の写真は、P900のタイムラプス撮影の動画から切り出したもの。そして、元の動画はこちら。

10秒ほどでサッと終わってしまうので、本当は半分くらいの再生スピードで観るのが良いと思うのだけれども。朝陽のホワイトアウトで終わる最後が、とても綺麗に感じられるのだ…。


さてさて、先々週のことになるけれども、ISS(国際宇宙ステーション)が夕刻の空を横切る日が数日つづいた。雲がなく視界が良ければ、僕はそのつどP900を手に観察をしていたのである。
ある日には、午後5時52〜55分に見られる予定となっていた。そこで、僕は5時50分になると北側の窓を開け放ち、三脚に据えたP900をセッティングし始めたのである。

すっかり日の暮れた北天を一枚試し撮りすると、隣家の向こうでスーッと音もなく、しかし速く移動する光の玉を闇の中に見つけた。くだんのISSであった。予想よりも前倒しの出現に感じられた。下の写真の黄色の矢印が、ISSである。

それから、P900の設定を弄る間もなく、シャッタースピード1秒のプログラムモードのまま、撮影を開始しなければならなかった。ISSは、北天の中心たる北極星の方へと向け、その上を掠めるようにして夜空を横切っていく。(以下、白い矢印の先が北極星)

5時55分になるかならないかの内に、仰角高度45度くらいの北東付近でISSは消えていった。ものの2分間の、あっという間の出来事であった。

しかし、咄嗟とはいえ、その短時間に短い光跡の写真を6枚ほど撮影できたのは良かった。翌日以降も機会があればまた観察してみようか、と思ったのであった。


さてさて、その翌々日。この日の晩も、ISS観測日和であった。この日は、思い切って動画でISSを捉えてみることに挑戦してみたのである。まずは、西の空、仰角高度たかく見え始めた光跡をP900で撮ってみた。

幾分ズームをかけて録画しているけれども、肉眼でもほぼこのように見えるのである。飛行中のヘリコプターくらいの速度に感じられるのでは、と思う。ISSは宇宙空間を移動しているので勿論、飛行音などは出ていない。ただスーッと横切って行くのだ…。

そして、一旦P900の録画を止め、もっとズームを効かせて更に一本録画した。今度は、ISSの形が分かるところまで撮ってみようと挑戦してみたのだ。決して遅くはない速度で移動しているものを80倍を超える望遠で追いかけるのは、やはり大変だったw

如何でしょう?一瞬、「王」の字が斜めになったような形が見て取れたのでは、と思う。本当に一瞬だけれども…。それは、まさしくソーラーパネルを広げた状態のISSの姿なのだ。

上の2枚は、動画から切り出した画像を更に拡大して露出やコントラストなどを調整してみたもの。P900のような望遠レンズを積んだコンパクトカメラでも、遥か400km上空に浮かぶ宇宙船の姿形を捉えることが出来るんだな…と、僕は暫し悦に入ったのであった。

……
今回の投稿は、写真や動画が盛りだくさんとなってしまいました。ご覧くださり、どうも有難うございます…。
さて、先日、作曲家 伊福部昭氏の未発表音源がCD化というニュースがありました。これ、ほ、欲しい…。下のリンクは、そのCDです(この投稿時点ではジャケット写真がまだ入っていませんが…)。僕は、伊福部氏を「日本版ストラヴィンスキー」であると勝手に思っています(勿論、褒めてです)。例えば、日本の土着的なリズムを刻む「日本狂詩曲」は、まるでかの「春の祭典」のようではないか、という具合に。別の意味で(特に和声が)ラヴェルっぽくもありますけれども…。
つい先日、NHK-FMで「日本狂詩曲」とピアノ超絶技巧曲である「ピアノと管絃楽のためのリトミカ・オスティナータ」を聴きました。演奏会の生中継だったのです。実に良い演奏だったのですが、なにぶん作曲されてから相応の年月が経っているので、タクトもピアノも謂わば「21世紀的な」解釈になっていたのだろうという気もしたのです。
下の未発表音源CDは昭和30〜40年代の録音が収録されるそうですので、作曲当時に近い頃の音が聴けるというわけですね。ネットニュースの記事によりますと、伊福部氏と生前に親交のあった41歳の音楽研究者が発掘してCD化にこぎ着けたのだとのことです。そのいきさつも印象深いものでした。
それから、CD3枚組のうちの丸々1枚は、音楽評論家の片山杜秀氏の解説を収録しているのだそうです。片山氏と言えば、NHK-FMの番組「クラシックの迷宮」における名調子の曲解説でお馴染み。あの片山節がたっぷり聴けるなんて、これまた嬉しいことです。
そんな、伊福部氏の名曲の演奏と片山氏の解説がたっぷり楽しめるCD。嗚呼、欲しい…。発売は今月の23日。是非とも、年末年始にじっくり聴いてみたい逸品だと思います…。

『伊福吉部の純音楽』
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