不肖・助っ人日記!!

今日は出張。

(トラフグの写真を撮る間も無かったのでシマ河豚です!(笑))

天下の台所にある某料理屋の助っ人。休憩時間に書き出してすでに2日放置!!。

店主曰く今年もめでたく「毛唐ゴム屋評価押し付け料理屋本」に星を付けられて、その評価を「ご購入!!」したそうだ。
本に掲載するにあたり、「掲載費」を払うと言うのもなんだかなぁ・・・とは思うが、店にとっては馬鹿にならない集客力が厳然としてあるのは事実らしい。まあミーちゃんやハーちゃんには参考になるのだろう。

私のような市井の者から見れば、以前星三つの店で食べた仰々しい刺し盛りよりも、色々行って来た漁師町の小さな飯屋で供される、魚本来の持ち味をを引き出し得も言われぬ旨さをなにげなくサっ!と出してくれる、何でもない「今日の刺身」などの方がなんだかしっくりくるのはお里が知れる!というものだろうな。
そんな安くて旨い店は日本全国津々浦々ににあるのになぁ~~と。我が国が数多恵まれる魚介・農産物のプロ中のプロの味を知恵を網羅した「ほんま飯!!」なんて本でもどこか出せばいいのにと思うが、どんなお店紹介本を読んでも、どこかみんな中途半端感が否めなくて残念。

ともあれ今日は河豚助!

さっき生け簀トラックで届いた100数十のトラフグを3人で捌いています。

「今日は手ぶらでいい」(包丁などはこちらのものを使って下さい)と言う事だったので手ぶらで向かうも、それ使って下さい!と支給された出刃を見ると・・・・。

「すんません!砥石ありますか!?」と言う事で、研ぎ直そうとするも、砥石が「流線形!!!!」に歪んでいて使い物にならない。
堪らず店主に「オタクの砥石貸してくれへんか!?」と言うと渋々出して来たごく一般的な1000番の砥石だったが、やはりやや流線形をしていた。
実は、こんな小さな事からもその店の「品格や姿勢」って分かるもんなんですよ。。。あくまで裏方からの目線ですがね。

仕方がないので、その店で借りたステンレスのボールに水を並々入れて、店裏の駐車場の車止めのコンクリートブロックで砥石のツラ直し(砥石の表面を水平に整える)をやりました。
刃物の基本はいかに鋭利な角を出すか!なので、砥石が丸くなっていると刃先も丸くなる。するとその刃物で切った食材は、無駄な抵抗を受けむやみに周りの細胞を傷つける。結果養分や旨みを逃がしてしまう。木材を鉋で削るのも同じことだ。

本来ならば、料理修行中の「坊主」が砥石のツラ直しをして、毎日の開店に備えているというのが私の知る料理人の世界だったのだが、今は店が売れてなんぼ!あとはテキトーなんだろうか・・・と。

ともあれ、全力で砥石と刃物を直し、捌きに取りかかる。結果その方が「早くて綺麗」なのだ。

すでに私の仲間と、その店の脇板が捌きだしていた。
まあ、なんとも・・・。遅い!!(笑)  河豚を苦しめている。かわいそうである。

店頭に立つ料亭の料理人などは、実は河豚など捌けない人が多い。料亭などでは実際に活け河豚や九絵などの魚を一から捌く事はまれで、予約が入れば出入り業者から加工ものを仕入れることが多い。
とりあえず、見本がてら3本捌くと、感嘆の声が聞こえ、隣室で仕事をしていた料理人や、せっかくの休みを「河豚の勉強」に来てくれた若き料理人が集結してきた。店主も来たので「勝負しましょか?」と言ったら「若いのに教えてやってください」との言葉を頂いて、入れ替わり立ち代わりの俄教室状態になった。

めんどくさい!!こっちは早く終わらせて帰りたいのに。。。(笑)

そこで、出刃チェック!!をしてやった。(笑)
丸研ぎ(刃先が丸く切れない)の包丁を持って来た者はお断りした。
「砥ぎ直し!!」と。

一通り「見学」が終わり、数が数なので一番早い分担作業を押し付けさせて頂いた。(笑)

ヒレ取り、皮むき。バラシ。洗い。と。それぞれのスキルを見て回して行くと、まあなんと早い事!早いこと!!やっぱり仕事は段取りです。

前日捌いて寝かせていた河豚の身をてっさに引き、本日の業務終了。

夕方からの予約営業には楽々間に合いました。
帰り際に店主が飛び出してきて、「正直あなたを舐めてました」と真顔で言われ、砥石、研ぎもの云々の反省の弁を述べておられてこちらは困惑しきりだった。

「月一、月二ほどでいいので来てもらえないか」と若い衆指導係を小声で依頼された。
「今はどこのお店で料理人されているのか?」としつこく言われたので、「私、ただの建築屋なんで・・・」と。

鳩が豆鉄砲を食ったよう!と言うのを久々に目撃させて頂いた。(笑)  いい経験をさせて頂いた。

感謝。

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