闘病記2 診断から手術、そして退院
予想はしていたので診断結果には驚かなかった。医師から早期発見と言われたし、それなら精巣腫瘍の治癒率はもともと高いので心配もしていなかった。
単身赴任先の病院だったけれど、切れば終わると思っていたから、心配をかけたくないと家族にも入院直前まで伝えてもいなかった。しかしもちろん入院前後に妻と母は駆けつけてくれた。
何よりのサプライズは当時中学生だった息子が一人で飛行機に乗ってやって来たことだった。一人で行くことでもしものことがあったらと反対する僕の父に、息子は決然と家族の一大事なのだから行くと言って聞かなかったのだと後から聞いた。
左睾丸を切除して、その後1週間入院して退院した。かなり早期で、これで恐らくもう大丈夫とのことだった。
タクシーで一人暮らしの自宅に戻り、部屋に入った瞬間大泣きした。全て終わったんだという安堵か、言い知れぬ今後への不安だったのか自分でもよくわからない涙だった。