闘病記6 治療開始
入院してすぐに抗がん剤治療が始まるわけではない。
血液検査ほかのいろいろな検査をして数日間を過ごし、予定日に風邪などひいていないことを確認して点滴による抗がん剤投与が始まる。
1クールは大体28日間、投薬自体ははじめの数日間だけである。その間点滴は24時間行われ続けるがずっと抗がん剤を投与されているわけではなく、抗がん剤の合間に生理食塩水、抗生物質、吐き気止め、毒物を輩出するための利尿剤などが計画的に投与されていく。
実はある意味一番つらいのは利尿剤だった。利尿剤を投与されるとそこからの2時間ほどはしょっちゅう尿意を覚え、ベッドとトイレを頻繁に往復することになる。体力が底の時期や夜中は流石に尿瓶を利用したが、それも続くと睡眠不足になってくる。
しかし初めての投薬の数日間は拍子抜けするくらいに副作用を感じなかった。
「これ、結構軽いんちゃうん」と感じたが、当然それは甘かった。