広島の呉市で「ほいじゃけぇ」と言われれば、
「ほいじゃけぇ、ワシゃやめとけぇゆうたじゃないかぁ、山守のオヤジさんよぉ!」
というような菅原文太さん演じる”広能昌三”とか松方弘樹さん演じる”坂井のテッチャン”のセリフを誰だって思い浮かべるはずです、多分。
この「仁義なき」人たちと同じ場所で同時期の同年代なはずなのに、ヒロインの「ほいじゃけぇ」がこれだけ可愛く聞こえるというだけで、すごいドラマです、
『この世界の片隅に』
呉は、まっこと恐ろしか人ばっかりやと思うておりました。(西郷どん風)
滅茶苦茶面白いですね。
しかし、なんというか結構規格外ですね、このドラマ。
太平洋戦争が始まったと同時ぐらいにお嫁に行ったわけだけど、ほとんど戦争とは関係のない日常を時にはコメディタッチで描いている。
戦時中”夫婦ラブコメ”という、なんか新しいジャンル。
兵隊さんはともかく、実際は終戦の年の3月ぐらいから一般の人たちの苦難が始まるわけだから、ある意味リアルな日常なのかも。
しかも、これだけ戦争被害にあうヒロインも珍しいんじゃないかな。
玉音放送聞いて徹底抗戦主張するっていうのも中々ないでしょう。
結構、悲惨な話の後にホロっとさせて、クスっと笑わせる演出は浪花節的ではありますが、すごく感動します。
しかしながら、この「玉音放送とその後」辺りは、どうも原作と違う!ということで、原作ファンからは結構批判もあるようです。
よく事情がわからんですが、そもそも、どうも原作とアニメ映画のファンからは、元々このドラマ化に対しては否定的な意見が多かったような気がします。
原作と異なる描写に批判の声も 『この世界の片隅に』最終回は現代パートが鍵に?
コメント欄はの意見割れてますねぇ。
私は原作読んでいないので、何とも評し難いのですが、原作にあるんだ!というシーンは、やはりドラマには無くてよかったんじゃないかな、と思います。
少なくとも、このドラマでのヒロインは、そんな「加害者」「被害者」とかそういう社会問題に精通しているような感じしないし。
正直、戦争で悲惨な目にあった直後に、主人公が「戦争の愚かさ・恐ろしさに気づく」ってよくある演出、どうかなぁと思います。
嘘っぽいというより寧ろちょっと危険。
軍隊が「戦術爆撃」を考えるのは、正に敵方にそういう事を思うだろうと考えて、こういう攻撃を考えるからです。
実際にやられて被害にあったら、このドラマのヒロインみたいに「ウチは絶対負けへんからね!」とか「玉砕しても徹底抗戦!」って気持ちになるほうが寧ろリアルな気がします。
今のシリア他現在進行形のあらゆる紛争地を見てても。
「戦術爆撃」についての解説はTBSラジオの「荻上チキsession-22」の8月2日の特集「太平洋戦争終盤、アメリカ軍はなぜ、一般市民に対する無差別爆撃に踏み切ったのか? 」に詳しいです。ユーザー登録する必要がありますが、ラジオクラウドで聴けることができますのでお勧めします。
最終回、楽しみです。”スズさんロス”とか、ありそうですけどw
個人的に気になるのは;
・スズさんのご両親は無事か?
・志野さんの旦那さんは無事に戦地から帰ってくるのか?
です。
ドラマ肯定派も否定派も一致して、「現代パートいらんのとちゃう」がほぼ100%の意見なんですが、正直、私も”いらん”と思います。
折角、面白いドラマなんだから、「現代パート」でもなんか最後に捻ったことしてくれないかなぁ。
そこは、あまり期待していないですけど。