2年ほど前に読んだドイツの小説。この「ヒトラーが生きてたら」あるいは「ヒトラーのクローンが」的な小説は、ミステリーを中心に、数多くあります。
私も、結構、読んでます。
フィリップ・K・ディックの『高い城の男』は大のお気に入り。
アマゾンのオリジナルドラマは、あれはあれで、面白かったなぁ。
で、『帰ってきたヒトラー』なんだけど、ヒトラーの一人称で書かれているのと、コメディアンになった、のが秀逸でしたね。
ヒトラーが、エエ人過ぎるやないか、と批判も受けてたようですが、映画は、ちょっと最後が違ってて、「やっぱり、怖い奴や…」と思わせます。
このヒトラー=コメディアンというのがですね、私も、結構、納得いくような感じがあって、売れないコメディアンが、場末のキャバレーで酔い客相手に;
「昔の君は、可愛かったよ…。ところが今は皺くちゃの~!」
とやったら、どっかんどっかん受けて、この「ちょっと酷いことを言う」芸みたいなのが、大うけ、今や全国民が知る人気芸能人になった、みたいな感じで。
受験浪人のヒトラーさん、ミュンヘンのビアホールで酔い客相手に;
「昔のドイツは、よかったよ…。ところが今はアイツラが~!」
とやったら、どっかんどっかん受けて、この「ちょっと酷いことを言う」芸みたいなのが、大うけ、今や全国民が知る人…みたいな感じで。
ちょうどこの頃、始まったラジオ放送とかも悪影響与えたかも。この酔い客相手の話をラジオで聞いた真面目なドイツ人が、
「ほんまや!昔のドイツは、よかったんや!アイツラが悪いんや!」
みたいな…。絶対、そんな単純な話じゃないんでしょうけど。
これは、ネットでも言えるんだろうけど、顔を合わせながら、お互いの表情を見て、ちょっと笑いながら
「お前バカだな」
と言うのと、ネットの書き込みで
「お前バカだな」
で、受け取り方が違ってくることもあるだろうし。
そんな単純な話じゃないんでしょうけど。
いや、まぁ、言いたかったのは;
シュピーゲル紙は、ヒトラーが生き返っても、やはり死刑には反対するのか、ってことですね。
この死刑の件に関して、ちょろちょろネットで読んでいるところです。
所謂、幹部の連中は、同じ年代で、考えさせられることも多いのですが、誰かに自分の運命ゆだねるなんて、個人的にはまるで共感できなかったです。
バブル経済側にいた「何も感じないバカ世代」と言われれば、それまでですが。