今後の棋界の動きに大きな影響を与える明日の竜王戦決勝トーナメント豊島名人・王位vs藤井七段の前に、直近の対局を振り返ってみる

どちらからいこうか。まずは第69回NHK杯1回戦第15局 髙﨑一生六段vs里見香奈女流四冠から。女流最強棋士健在といったところか。解説は羽生九段。差別ではなく事実のみをいうと、投了図をみるだけでは、どちらがかつての女流棋士かわからないような髙﨑六段陣の惨状。女流の中では里見女流四冠は別格であることをみせつけた。悪手らしい悪手は私程度の棋力では見当たらない。

続いては、ネタバレ騒動が持ち上がった第2回AbemaTVトーナメント決勝 糸谷哲郎八段vs藤井聡太七段。AbemaTVトーナメントってのは公式戦なのか準公式戦なのかわからないが、とにかくスピーディなのが特色である。こちらの解説も羽生九段。羽生さえ出せば話題になる(視聴率を稼げる)と安易に考えていそうなところが腹立たしい。

この棋戦の特異な点を2つ挙げるとすると、1つは持ち時間について①フィッシャールールを採用していること。1手指すごとに一定の時間が追加される一方で、持ち時間を使い果たすと負けになるチェスで用いられるルールである。1対局約30分で終了するのが現代的でスピード感にあふれている。もう1点は対局時間が短くすむため、②一度の顔合わせで三番勝負を行い、先に2勝した者が勝ち上がるシステムにした点。これは先後の有利不利を出来るだけ解消するものになっている点が目新しい。

結果は藤井聡太七段の2連覇。これがタイトル戦なら史上最年少タイトル獲得も達成してしまったことになる。

さて、明日の豊島名人・王位vs藤井七段、私としては現名人豊島がそう簡単に藤井聡太を挑戦者決定の場に出させてはいけない、ということで明日は確実に勝ち、渡辺明へのリベンジを達成して欲しい。それにしても明日は銀河戦とのダブルヘッダーって本当かね。到底考えられないんだが。

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