豊島将之名人無念、第67期王座戦の挑戦者は永瀬拓矢叡王に その原因は藤井聡太七段にあることは想像に難くない

あまりの落胆に体重が落ちる思いである。今日帰宅直前に立ち話をした毎朝ウォーク時に会っていたおばさんも膵臓がんで手術後体重が10キロ落ちたらしい。

共に電王戦でコンピュータソフト相手に勝った同士である。豊島名人にすれば二冠に後退した直後のタイトル奪取の最大のチャンスを失ってしまった。やはり竜王戦決勝トーナメントでの藤井聡太戦から中一日では疲れがとれなかったか。あの△3三金は何だったのか。基本的に金が3段目、しかも焦点の3三(7三、3七、7七)に上がるのは将棋では悪型ではないかと思う。そこでソフトの評価値も大きく傾き、以降逆転はなかった。矢倉にしてしまったこと自体が間違えだったのかもしれないと考えれば、渾身の勝負手であったと言えなくもない。

形勢をリードしてからの永瀬の的確さは見事である。まるでコンピュータソフトが指しているかのような形勢グラフだ。(強いソフトでは基本的に逆転なし)これで今季、豊島名人は初めて渡辺明以外から負けを喫した。永瀬叡王の王座奪取が見込まれる。そうなると複数冠棋士が同時期に3人になる。こういう事態はかつてあっただろうか。調べがいがあるなぁ。

心配なのは豊島名人だ。実はもうすぐ木村九段との王位戦(2日制)第2局があり、今週と同じく中1日で竜王戦決勝トーナメントで渡辺明と対することになる。ここは序列第1位を確保するために絶対に勝たねばならない。この王座戦でも渡辺明に勝ったからこそ挑戦者決定戦まで進めたのだ。棋聖戦の無念を晴らすにはここで勝つべし。その後は再び永瀬叡王か木村九段と対戦である。タイトル戦の状況をみる限り、現在の4強は渡辺三冠豊島名人永瀬叡王木村九段だ。これに広瀬竜王藤井七段が続く感じではないだろうか。

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