6日連続出勤の最後にちょっとしたアクシデントがあり、帰宅後思わず軽い仮眠をとった後に観た。
TENET テネット (2020年)の超弩級の難解さに打ちのめされて以来、強烈に惹きつけられたクリストファー・ノーラン作品で観ていなかったものを貪り鑑賞し続けている。インセプションやダークナイトは公開時に観ていたからよいとして、メメント (2000年)の次に観たのがこれ。参ったよ。映画史上最高のSF作品の一つだろう。
生存し続けるのが困難になりつつある地球を舞台に、新しい惑星を探しにでかける父と、地球に残された娘が描かれる。人類の滅亡を救おうとするのは「2001年宇宙の旅」で扱われたような超越的な意思(五次元星人)であった。あちこちご都合主義の理屈で埋め尽くされているが、全ては超越的なものに導かれたのだ、ということでド素人ではケチがつけられないレベルで納得できる。何の問題もない。
宇宙空間のシーンは現時点でこれ以上のものは知らない。ハッチを開けた途端吹っ飛ぶマザーシップ。超高速回転するそれに接続する超絶テクニックのサスペンス。想像すらできなかった球体のワームホール、光り輝くブラックホール。ここまで誰も見たことがないものの映像表現の横溢でお腹いっぱいだ。万能AIロボTARSはスターウォーズ製作スタッフには想像つかなかったか。
ショートヘアのアン・ハサウェイは気を失うくらいにチャーミングである。ドラマ部分もじっくり魅せてくれて169分の長尺でも全く退屈しない。もしまだ観ていない方がいらっしゃれば、是非ご覧になっていただきたいと思う。