世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ。

村上春樹氏の言葉である。

何故、中日ドラゴンズが3連勝で首位に0.5ゲーム差に迫った日にこんなことを記し始めたかというと、唐突にまた読みはじめたからである。理学部の学生でありながら、大学4年間の講義で一番興味深かったのが「心理学」と「人間関係」(←こんな講義が本当にあったのだ)だった。その「心理学」の講師が「こんな授業を聴くよりもドストエフスキーを読んだほうがよほど役に立つ」と言ったので、それを鵜呑みにして大学1年の時にページを捲りはじめたのだった。

いやぁ、いざ読み始めて後悔したよ。人名が長くてメゲる。さっぱりノレなくて砂をかむような味気なさしか感じられなかった。だが、上巻を乗り越えると中巻、下巻と一気に読んでしまった。理解したとは思えないながらも読みきってしまったのは、思い出しても不思議な体験だった。今読むともう少しわかるのではないかと思うのだ。根拠はないのだが(苦笑)あと、帯の「東大教師が新入生にすすめる」というのは不要。何でも東大と付けばありがたがるのは愚かしい。

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