第90期将棋棋聖戦は複数冠保持者同士、東西両横綱[豊島棋聖・王位vs渡辺棋王・王将]の激突が実現

2冠王以上同士のタイトルマッチはいつ以来だろうか。2015年の渡辺明と羽生善治の棋王戦くらいまでさかのぼる必要があるのではないか。2冠vs2冠の戦いだが、豊島将之は名人位までかなり近づいているので、ストレース奪取した場合は途中から3冠vs2冠になる可能性がある。最重要棋戦である名人戦とかぶる日程の叡王戦、棋聖戦はもう少し開催時期を考えてほしい。これについてはまた別の記事で考察する。

渡辺棋王・王将の棋聖戦五番勝負登場は第84期以来3回目、初の棋聖獲得に挑む。昨年大敵羽生をフルセットの末に倒し初タイトルを獲得した豊島将之棋聖・王位としては名人位を獲ったとしても貴重な初タイトルを失い、冠数で上回われては面白いわけはない。冷静に両者の対戦成績をみると渡辺12勝-豊島5勝で差があるが、2015年以降であれば渡辺5勝-豊島3勝でさほど差はなく豊島3敗分は後手番である。

藤井聡太や羽生善治しか知らないようなミーハーではない将棋ファンであれば、おそらくほぼ全員が望んでいた番勝負に大いに期待するものだ。竜王位9連覇時代以上の強さを感じさせる渡辺明相手に豊島は先手で落とせば失冠だろう。先手は全て拾って最終局の振り駒勝負か、と思うが、名人戦の大舞台でさらに進化していれば、十分に互角以上の勝負ができるに違いない。

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