無事に連敗脱出。流れを止めるべくようやく勝ち取った勝利で一安心である。これで、名人戦、叡王戦とも2勝2敗のタイになった。叡王戦のほうは正確には2勝2敗1千日手2持将棋ととんでもないシリーズになっている。本局も七番勝負の第6局ということで、通常であればもう大詰めのはずなのだが(苦笑)
98手目以降は両者秒読みで妖しい(怪しい)手の中にソフト最善が入り交じり、スリリングな終盤戦を堪能することが出来た。局後の豊島将之竜王・名人のインタビューより「終盤の▲8七歩(103手目)のところは分からなかったが、△9五角と引かれたらまずかったのかもしれない」実はここがポイントだったかもしれない。△9五角は人外の一手に思える。59秒以内に指せる者はいないのではなかろうか。
ところで、最近は特にAIが進化し将棋の強さはとうに人間の竜王・名人をも凌駕し、棋力が未熟でもソフトの結果をみて、あーだこーだのたまい、中にはプロ棋士の指す手を馬鹿にするような輩が増えてきているように思える。しかし、私には到底人間には指せないような手を繰り出すソフトに感心こそすれ、人間の指す手を馬鹿にする気にはなれない。
そういう人には、
・時速300キロを投げるピッチングマシンが人間の野球の試合に出てきて面白いと思うのか?時速165キロを投げる人間の投手に感動することはないのか?
・100メートルを1.2秒で駆け抜ける時速300㎞のクルマが陸上100メートル走に出てきて面白いと思うのか?自分の身体で9秒で走る人間の走者に感動することはないのか?
・100メートルを1.2秒で駆け抜ける時速300㎞のクルマが陸上100メートル走に出てきて面白いと思うのか?自分の身体で9秒で走る人間の走者に感動することはないのか?
と問いてみたい。