男たちよ、ボタンを閉めよ 

暖かくなると、サラリーマンはコートを脱ぐ。

その姿を見るたび、私は強く言いたいことがある。

男たち、ボタンを閉めよ、と。

パンツとジャケットが異なる、ブレザーなどの時は
上着のボタン全開で歩くのは許そう。

問題は、上下揃いのスーツの時である。

スーツの上着のボタンを開けたまま
無自覚で歩く姿のみっともなさときたら!

スーツの基本は、
立っている時、歩いている時は
上着のボタンは上下二つとも閉めること。
座った時には、下のボタンだけ外すこと。

いずれにせよ、全ボタンを開けたままはありえない。

だらしないったらありゃしない。
どんなにカッコつけていたって、確実にバカに見える。
まだ全裸で歩いた方がなんぼか男らしいぞ。

死にそうに暑くて遠景がゆらぐ夏の日だって、
玉の汗を額に光らせ、脇にどす黒いシミをつくり、
それでも涼しい顔をして二つボタン全閉めで歩く。

それが男のプライドってものじゃないか。

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