もう一つ、ハフポストに物申したい。
ムーニーのおむつCMに「ワンオペ育児を賛美しないで」批判
これも。
私にも娘が二人いるので、ワンオペ(配偶者の単身赴任など、何らかの理由で1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態:コトバンク)の女性がどれだけ大変なのかは分かっているつもりだ。まして、それを「仕方ない」とか「素晴らしい」などと言う気もない。
問題となっているムーニーのおむつのCMを観てみた。
初めての育児に向き合う女性の大変さ、不安、責任、前向きな意志、そして喜び。まさに「育児」は「育自」だと気づかせてくれる感動的なCMだと思う。
それが、なぜワンオペ育児を賛美しているということになるのだ? 理解できん。できるだけ丁寧な言葉のではないか? などと文句をつけるの気が知れない。いったいどういう了見でそんなことを言っているのだ? 頭が悪いのか、頭が良すぎて常人には理解できない思考をする人なのか。
「自ら望んだわけではないのに、ワンオペを余儀なくされている女性がどれだけ苦労をしているか、お前は知らないのだ」と言われたら、「なるほど」と答えるしかない。
でも、それとこのCMのメッセージは何の関係もない。
「そういう女性の立場になって考えたら、ワンオペを想起させるCMそのものが流れているのが問題なのだ」と言われたら、「おっしゃる通り」と言うしかない。
でも、それって個人の感じ方でしょ?
ならば問う。私はエビとカニが大嫌いだ。エビカニを見るだけで気持ち悪くなる。ものすごく気分が悪い。その嫌な気持ちはなかなか共感してもらえないが、それは事実だから仕方ない。また私にとっては、エビやカニをおいしそうに食べているテレビ番組は映像の暴力以外の何物でもない。
また、たとえばアレルギーでエビやカニを食べられない人は、そういう番組を観て「私は食べられないのに、あんなにおいしそうに食べるなんて」と、人知れず傷ついているかも知れない。(私と立場は違うけど)
そういう人は絶対にいると思うのだ。
テレビ局は、そういう人の立場を慮ったことがあるのか?
数の問題ではない。もしワンオペを嫌だと思う人とエビカニを嫌だと思う人を比較して、後者が圧倒的に少なかったとしても、多ければ良いということであるはずがない。
もし数が多ければ正義ということであれば、隣国を嫌いな人はもっと多いと思うのに(以下略)。
「ワンオペ賛美だから気にくわない」と主張したい人は、デフォルトで「女性は虐げられている存在だ」というフレームワークがあり、それに合わせてすべての物事を見ているのではないだろうか。だから、育児をする女性はすべて「ワンオペ=辛い仕事」であり、被害者でなければならないのではないか。
たとえそれがワンオペだとしても、楽しい育児というのはあると思うんだけどなあ。