「いだてん」視聴率低迷の一因に日本人的性質があるかもしれない、と考えた

今日もお茶らけたようでありながら、感動的な場面が横溢した「いだてん」である。しかしながら、これほどまでに面白くないという人が多いことが不思議でならない。うまく伝えられるかどうか別にして、当たり前なのだが、私も自分が面白くないと思うものは面白くないし、面白いと思うものは日本中の誰がなんと言おうと絶対に面白い。

某ドラマウォッチャーはこのように記している⇒『いだてん』視聴率浮上の兆しすらなし…「わかりにくい」「つまらない」根本的原因

かいつまむと「終着点が見えないが、それによるドキドキ感があるわけでもない」「個々のエピソードに何の意味があるのかわからない」からつまらないと断じているのだが、やはり、日本人が大河ドラマに求めているものはそこなのだろうな、大河ドラマたるものこうあるべきという固定観念が強いだろうな、とあらためて思った次第だ。

もうわかりきっている歴史上の有名人物について、史実を大きく歪めない程度に描いた(大河)ドラマははいて捨てるほどあり、正直、役者の魅力なしで観ることはほとんどない。こういうオーバーミドルエイジは日本にはまだ少数なのだろうか。

金栗四三だの田畑政治だの美濃部孝蔵だのは、もちろん私も知らなかった。柔道部中退者としてはさすがに嘉納治五郎くらいは知ってはいたが。知らない人だから興味がない、終わりが見えない話だからつまらない、というのは推理小説の終わりを知らないと安心して読めないという幼稚なメンタリティに近いものを感じる。あまり読書をしてこなかった人間の特性ではないかと思う。

視聴率至上主義の日本であるから、つまらない梃子入れなどしがちであるが、そんなことをして「いだてん」のテイストを失わせないで欲しい。このまま突っ走れ。放映から時を経てカルト的な人気を誇るようになった作品も数多ある。くだらない同調圧力ばかりの日本社会ではなかなかできないことなのだろうが。

そうそう、今日観てピエールより三宅のほうが良かったんじゃないかって心底思った。舞台で鍛えた本職の役者は違う。

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