結局昨夜ももう一度鑑賞。おかげでほぼ完徹。以前から観たいと思っていたが、これほど熱中してモノクロの邦画に惹きつけられたのは15年ぶりである。
2時間弱で連ドラ10話以上の内容があった気がする。冒頭の昭和32年当時の北品川の様子は昨年のウォーキングイベントで盛夏の下歩きまくった旧東海道のあたりと被って胸が熱くなった。映画はそのまま文久年間へ。最後の幻のエンディングがなかったため、現代に物語が戻ることはなかったが、もうそれだけで十分。
リマスター版だけあって画質も良好、音声も字幕なしで十分理解できる程度にいい。役者がいいなぁ。フランキー堺、左幸子、南田洋子、石原裕次郎、二谷英明、小林旭、芦川いづみ、市村俊幸、金子信雄、梅野泰靖、岡田真澄、菅井きん、小沢昭一、殿山泰司ら、映像の中の彼らは永遠に生きている。
当時はもうすぐそこが東京湾だったんだね。今では海までどれだけ遠くなってしまったか。埋め立てなんて実に愚かしい自然破壊だ。
おそめとこはるのキャットファイト、おひさと徳三郎の駆け落ち話あたりが印象的かな。フランキー堺でなければ、こんなにコミカルで痛快な話にならなかったんじゃないかな。自分が生まれる前の映画なのだが十二分に新しい。くだらないリメイクなどしないでほしい、と願う。