世間に蔓延る妙な柵・忖度や運など、およそ実力以外に勝負を左右する要素が殆どないのが将棋である。無論、指運というものもあるが、公平に与えられた時間の中での勝負であるので、それも含めて実力とみなす。未だタイトルの防衛歴のない豊島将之はそれ相応の実力の持ち主である、と断ぜられても致し方あるまい。
そうした場合、現在ともに2勝3敗と後のない状況に追い込まれた名人戦、叡王戦をどうやって戦ったらいいのか?
棋聖戦、王位戦、名人戦、竜王戦といずれも挑戦者になって圧倒的な勢いでタイトルを奪取してきた強さを思い出してほしい。羽生善治、菅井竜也、佐藤天彦、広瀬章人と現在の棋戦の相手とは違うが、いずれも挑戦者として勝ってきた。挑戦する者の勢いは厳然としてある。まずは目の前の1勝。最終戦になれば結末は誰もわからない。
渡辺明や永瀬拓矢に大きく負け越す豊島将之ではないはずである。局面や流れを悲観しないこと。消費時間を意識し、適度に読みを打ち切ることも必要であると知ってほしい。
な~んて、四段コース挑戦中の若輩が何を言うか、である。しかし、今日やる竜王戦決勝トーナメントの羽生vs梶浦では全く燃えないのよ。この対局はあとで触れるかもしれない。