豊島将之 二冠に復帰 第5期叡王戦第9局、それよりも気になる23日発表の「叡王戦の今後」

23時11分、前叡王永瀬拓矢投了。豊島将之二冠(竜王・叡王)の見事な勝利である。全9局(千日手指直しも含む)の総手数は1418手、空前の記録であり、これを更新できるのは豊島・永瀬の対戦しかないかもしれない。

熟(つくづく)名人戦の防衛失敗は痛かった。防衛できていれば史上初の大三冠(竜王・名人・叡王)完全なる第一人者だったからである。叡王戦との同時進行、しかも渡辺明・永瀬拓矢を相手にするのはあまりにも厳しかったのだろう。名人失冠・叡王奪取で最低限の二冠確保といったところだろうか。

今日の第9局は、9月になってからの第8局と併せて強い豊島将之が帰ってきた感でいっぱいである。藤井聡太のような爆速と比較すれば鈍速の寄せかもしれない。しかし、決して評価値を覆すことのない真綿(で首を絞めて決して逃がさない)流復活である。

このまま全て1期のキャッチ&リリース全冠制覇も夢ではない。残りは王座・棋王・王将である。渡辺明を倒さなきゃね!

棋聖 1期(2018年度 = 第89期)
王位 1期(2018年度 = 第59期)
名人 1期(2019年度 = 第77期)
竜王 1期(2019年度 = 第32期)
叡王 1期(2019年度 = 第05期)

さて、中盤に豊島将之竜王が放った只捨ての▲5五銀が実はAI並みの凄まじい一手。

永瀬拓矢叡王の勝負手△5九角打に対する、これまた只捨てにみえる▲2五桂が超絶上手い一手。以降は順当に押し切った。

さて、叡王戦の今後の予定は23日(水)に将棋連盟公式HPにてお知らせがあるらしい。

叡王戦休止廃止などはあってはならない、と思うが経営の立ち行かないドワンゴ(DWANGO Co.,Ltd.)から主催が変更になる可能性は大きいと思う。単なる開催期間や方式の変更であればドワンゴから発表があればいいからだ。

序列3位の大棋戦をそのままの規模で引き継げる企業は限られるのではないかと思うが、思い切ってネット対局のタイトル戦にしてもいいのではないか。いい発表を期待したい。

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