豊島将之竜王が公式戦7戦目にして初めて藤井聡太二冠に勝ち星を与えた。それにしてもこのトーナメント表、かなりおかしい。4強が全て左の山に集まって、前回覇者の千田七段が右の山で泣いている。もう少し朝日杯の担当は考えてくれ。
本局の話、実に見ごたえのある将棋。対局者も元叡王の高見泰地七段の解説も素晴らしく、視聴に耐える一局。持ち時間が大量にあるタイトル戦だったら見誤らない毒饅頭を藤井二冠が見事に豊島竜王に食らわせた。
⇒切れ味抜群の一手を8秒で解析 高見泰地七段の名解説に「冴えてる」「プロはすごい」
84手△3七角打が追う手(王手)の疑問手で形勢は豊島竜王に傾いたが、ここで玉が安全になったと気が抜けたりはしないよね。気を取り直したような藤井二冠の△8六歩△8七歩が詰めろとは神童らしい。これを同金で喰らってしまったのが毒饅頭。△7八角も当然見えてただろうけど、▲6八玉寄りはわかりやすく△8六飛が受けなしにみえる。ただこの瞬間4段の飛車が6段に移動することで▲6四桂からの後手玉の詰みが発生していたようだ。
今日勝って豊島将之という壁を一つ破ったことで藤井二冠がより強くなったかもしれない。次戦の準決勝は渡辺明名人。棋聖戦では3-1で勝っているし、一躍今期朝日杯の優勝候補(左の山だが)最右翼に躍り出たね。決勝まで楽しみだ。