2日目以降は完全に藤井聡太七段が繰り出すそれぞれ左右のジャブ・ストレート・フック・アッパー・ジョルトで滅多打ち。セコンドがいればタオルが投げ込まれかねない状況だった。それでも一手おかしな手があれば、ひっくり返す状況も作ってみせた木村一基王位は力を尽くしたと言える。
94手目に首を差し出すと、あっさり▲2五金以降即詰に。攻めて攻めて攻めて、攻め切った将棋だった。
さすがに初の2日制持ち時間8時間の将棋は疲れたようだ。記者会見では怒っているかのような表情が少々うかがえた。声は相変わらずいつも通りの柔らかさがあったが。本局では終盤に時間を残していたこともあってか、さらにその強さに磨きがかかってきた。もはや手が付けられない領域に近づきつつある。