これまで、僕がこのカツブロで、2回にわたって紹介してきた、スージー鈴木著『1984年の歌謡曲』。(こちらと、こちら)
先日、本が届いたのである。余りにも良い本で、図書館で借りて読むだけでは飽き足らず、是非とも手元に残しておこうと思って買った。
上の写真が、それである。淡い青色の帯が、とりわけ目を惹く。その中に写っているのは、薬師丸ひろ子の「Woman “Wの悲劇より”」のジャケットである。何故この曲なのか?
この本では、全48曲を、一曲につき大体3~4ページを使って解説している。しかし、「Woman “Wの悲劇より”」は全く別格。なんと、これ一曲で15ページ(!)を割いているのだ。
そして、この曲は、著者のスージー鈴木氏曰く、「84年の音楽シーンにおける金字塔。そして80年代前半までの日本のポップスの総括」(裏表紙側の帯より抜粋)という訳なのである。破格の扱いだ。よって、帯のデザインにも採用なのであろう、と推察する。
実は、僕にとって、この「Woman “Wの悲劇より”」は、これまであまり印象に残っていた曲ではなかった。(スージーさん、ゴメンナサイ)…というか、僕はこの当時、角川3人娘の中では原田知世のファンだったのでw、薬師丸ひろ子の曲は余り聴いていなかったのである…。(…と言い訳…)
そこで、改めてYouTubeで検索をして、「Woman “Wの悲劇より”」を聴いてみた。オリジナルは見つからなかったので、TV放映版だ。
劇中劇の設定を持った映画のテーマ曲に相応しい、まるでミュージカルのナンバーような、実に壮大な曲調だと思う。なるほど、これは名曲である…。(…ゴクリ)
この曲は、ここ数年の間(例えば2013年)に歌唱されたもの等、YouTubeでは幾つかのバージョンが見つかるけれども、スージー鈴木氏が本書で述べている「パイプオルガンのように澄んだ高音」(この直喩も秀逸だ!)を堪能できるのは、薬師丸ひろ子が比較的若い頃の歌声の方かと思い、上の動画を選んだ。
さて、本書における、この「Woman “Wの悲劇より”」の解説で白眉なのは、サビのメロディの音階に関する部分である。なかなか凄いことになっているのだ。尚、この曲の作曲者は、呉田軽穂(つまり、ユーミン)である…。
(中編に、続く…)
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このサムネイルと同じ、帯のついた状態の本書を手に出来て、嬉しいです…。特に、この世代の皆さんは、是非とも読んでみて下さい。
スージー鈴木著『1984年の歌謡曲』
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