本当に「夢の国」のようだった、ラスベガス…

メキシコ日帰り旅行の翌日、ロサンゼルスのダウンタウンにあるホテルをチェックアウトし、我々は空港に向かった。国内線の飛行機に乗り、ラスベガスへ行くのである。

ロサンゼルスからラスベガスへは、陸路でも行くことが出来る。ただし、とても時間がかかるようだ。地図で見ると、前日に訪れたティフアナよりも距離がある。4~5時間か、それ以上はかかりそうだ。
そのためかどうか、我々は空路を選んだ(…と言うか、選んだのはHISだ)。そこで、米国に入国したときに利用した、ロサンゼルス国際空港へ再び、というわけだ。

2度目に来たその空港は、2~3日前に来たばかりのそれとは、だいぶ様子が異なって見えた。まるで、別の空港に来たかのようである。迷子になりそうなくらいだった。空港とは、やはり到着と出発とでは、景色を違にするものなだろう、と思う。
国内線とは言えども、パスポートの提示や荷物検査はあった。そこで、ちょっとした問題が起きた。この旅行メンバーのうち、僕だけが何故か、荷物検査に引っかかり、バッグの中身を全部出す羽目になったのだ。

僕は、拙い英会話で、持ち物をひとつひとつ説明しながら、取り出して係官に見せた。
カウンターの上に全部出し終わると、その係官は、ガムテープのようなもので、僕のバッグの内側をペタペタと調べ始めたのである。ツアーガイドの方にあとで聞いたのだけれども、それは火薬などの微粒子を採取しようとする行為らしい。

どうも、よく分からない。何故僕だけが、こんなにも調べられてしまうのか?実は、後日、ラスベガスからまた国内線でサンフランシスコに向かう際にも、僕だけ同様に荷物検査で引っかかってしまったのである。実に、不思議だった。
日本に帰国するまでずっと考えた挙句、僕はひとつの仮説に行き着いた。…と言うよりも、取り敢えずコレのせいにしておいて、あとはこの荷物検査の件を面白おかしく、土産話のひとつにしたのである。

では、その原因と考えられる、コレとは何か?

上の写真は、チャイニーズ・シアターの隣のショッピングモールで買った、合金製の楊枝セットだ。僕は、現地でこれを2セット買った。そのうちの1セットは、今でもうちで使っている。もう1セットは、未使用のままだ。
僕は、この楊枝セットのせいではないか、と考えたのだ。いやもう、こじつけでも何でもいい、コレのせいにしておきたいのであるw

荷物検査では、まずX線でバッグを透過させるところから始まる。多分、僕の荷物のときには、このふたつの楊枝セットのシルエットが画面に浮き出ただろう。その形状とは、ズバリ、星型の爆発の形だw いや、笑うなかれ。もう、これしか思い当たるものがないのだw

…という訳で、僕は少々散々な目に遭いながら、ようやくラスベガスへと足を踏み入れることが出来たのである。

飛行機の窓から見るラスベガスは、砂漠のような何もない所に忽然として現れる、異空間のようだった。何か、世間から隔離されたような別世界だ。僕にはまず、そんな孤立した街に見えたのである。怪しくも見えた。

ところが、飛行機を降りて、空港から街に向かうバスに乗り、車窓から眺めるラスベガスの景色は、上空から見たそれとは、全く印象が異なっていた。何と言うべきか、ワクワクしてくるのだ。

今まで見たことがなかったような建物の数々が、ドンドン目に入ってくる。僕は歓喜しながら、車窓でシャッターを切った。ツアーガイドの方が、「この建物は、飾りではありません。どれも、ホテルなのです」と説明しているのが耳に入ってくる。

ピラミッドやら曲線やら、こんな不思議な形の建物が、実際に使われているホテルだなんて。美観と実用を兼ね備えて、何と合理的…。僕は、実にリアルな「夢の国」に来たような気分になっていたのである。

実際に、僕はラスベガスで、数多の写真を撮りまくったw  昼も夜も、歩き回って、である。

僕は元来、パチンコや競馬、競輪など、ギャンブルには全く関心がないので、ラスベガスでも、スロットやルーレット、ポーカーなどのゲームに1セントも使わなかった。ただもう、珍しい建物を見て楽しみ、写真に収めてきたのである。それだけで、本当に、満足だった…。

次回もまた、ラスベガス写真館という趣向でお送りいたします。お楽しみに…。

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