羊の毛刈り実演を、初めて見学したのだ…(上)

皆さんは、羊の毛が刈られるところをご覧になったことがあるだろうか?

TVなどを観ていると、時折、ニュース映像や動物番組で流れてくることがあるかも知れない。僕も、子供の頃にそういった映像を観たような記憶がある。でも、生では観たことがなかったのだ。
先日、それが観られるというので、遥々出掛けてきた。本当は、娘と一緒に行こうと思って誘ったのだけれども、部活があるからと言うので、ニコン P900を携えてひとりで行ったのだ。

娘は、「ひつじのショーン」という立体アニメのキャラクターが好きだ。あのアニメでは、キャラクター造形の都合上か、顔の周りにはあまり毛がない(だから、表情がよく分かるようになっている)。
でも、実際の羊を見ると、トップの写真のように、目の前まで殆ど毛で覆われている。きっと、前方は見えないだろう。でも、真横から観察すると、上手い具合に目の周りだけ毛が短めなので、左右は一応見えているのかも…(下の写真をご参照)。

それにしても、モッコモコの毛であるw この日、2頭の羊が毛を刈って貰ったのだけれども、いずれも1年振りなのだと言う。実演して下さった専門家のお話によると、羊は長年の品種改良で毛が自然に抜けないようになったのだそうだ。
従って、こうして人間が定期的に刈ってやらなければならない。これから、暖かくも暑くもなってくるので、羊にとっては必須の作業となるのだろうと思う。だから、きっと嬉しいのでは?

さて、毛を刈る前に、少々のレクチャーがあった。例えば、羊の歯について。何と、羊は上の歯が生えていないのだそうである。写真のように、下の歯しかない。自然界では、歳を取って下の歯が抜けたら草が食べられなくなるので、もう死ぬしかないのだと言う。
ちなみに、今回の2頭の羊は、どちらも10歳以上。かなり長生きの方らしい。人に飼われている羊は、歳を取っても高齢向けの餌が与えられるので、自然界で生きているよりもその点では恵まれているのだそうな。

さあ、毛刈りの開始である。先ずは、羊を仰向けにして、胸やお腹の辺りから刈り始める。使用すること道具は、電動のバリカンだ。勿論、人間の散髪用のものより大きい。電池ではなくて、AC100V電源で動いていたくらいだ。向こうにはコードリールも見える。

この専門家の方は、畜産技術協会というところから来ていて、この道うん10年というキャリアをお持ちだそうである。流石、羊の扱いにも慣れていらっしゃるようであった。
バリカンでどんどん刈っては、毛を反転させるのだけれども、ちょっと汚れたおもて側に比べて、毛の内側の白いことw 実に真っ白で綺麗なのである。そんな茶色のセーターをまるで脱がせるようにして、毛刈りは進んでいく…。

下の写真は、2頭目の毛狩りの様子。こちらの羊も、1頭目に増して、内側の毛が白かった。きっと、1年の内に汚れが溜まって、あんなに外側が茶色くなってしまうのだろうか…と思ったのだった。

こうして、毛を刈られている間も、羊は殆ど身動きせず実に大人しいものであった。時折、力なくメエーと鳴いたり、後脚をピクピク動かすことがあるのだけれども。まあ、羊が従順な動物だというのは本当だなあと思う。

お腹の辺りが済むと、次は横や背中の方へと毛刈りが移る。すると、羊は下の写真のように横向きにされるのだ。この手順も、手慣れたもので、仰向けの姿勢からサッと横向きに変える。流石の専門家、プロの技である。

そしてまた、下半身の方から首の方までずーっと、バリカンで刈っていくのである。背骨の辺りは、バリカンだと痛がるのかどうなのか、ハサミに持ち変えて刈ることもあるようだ。その際には、丁寧にゆっくりとジョキジョキ切るのだ。

こうして、専門家さんの手慣れたお仕事で毛を刈って貰う羊たち。殆ど何も言わず、されるがままである。人間が散髪をされるときの心境と同じなのであろうか?いや、もっと気持ち良いのかも。
それから、毛は1頭からどのくらい刈れるのか?刈られた後の羊はどんな姿になるのか?などなど、続きはまたにいたしとう御座いますので、お楽しみに。(次回に、つづく…)

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