スクリーンで初めて『風の谷のナウシカ』を鑑賞。やはり、これは宮崎駿氏の最高傑作との思いを新たにす…

もう10日程前のことになるけれども、出掛けた道すがらに、シネコンへ立ち寄って映画を一本観た。

リバイバル上映のジブリ作品の中で『風の谷のナウシカ』である(正確に言うと、これはジブリ作品ではないのだけれども、今はラインナップに含まれている)。
僕は、数多ある宮崎駿監督作品の中で、この『風の谷のナウシカ』を常にベストワンに挙げる。もう、別格中の別格なのだ。しかし、これまでにスクリーンでは観る機会を得ることはなかった。数十年に渡って、専らTVやビデオで鑑賞してきたのだった。

だから今回、大いに期待をした。果たせるかな、それが裏切られることは決してなかったと思う。先ず、この時代特有のフィルムグレインが僅かに残る画に、経年のフィルムの傷やゴミなどは皆無だった。とても丁寧にレストアされていたのが何よりも有り難い。
これは、現在のジブリ作品の出資者たるウォルト・ディズニー・カンパニーの力量なのかも知れない。ディズニーはアニメの旧作において、世界に誇るレストア技術を持つからだ。例えば『白雪姫』のBlu-ray版など、正に眼を見張るものがある。

但し今回、『風の谷のナウシカ』のサウンドは当時のままモノラルだったのは実に惜しかった。
効果音はともかく、せめて久石譲氏の音楽だけでもステレオでリマスターしては貰えぬか、と観始めの当初はそう感じた。でも、映画の内容の素晴らしさにすぐに忘れたのだった…。

そう、物語は宮崎氏の才気溢れる演出によってグイグイと観る者を引き込んで行く。
氏の凡ゆる才能が最も溢れ出ているのは『風の谷のナウシカ』であろう、と僕はいつも感じている。久石譲氏の音楽もそれに呼応するようにして、パトスの迸りが実に凄まじい。音楽も、ジブリではナウシカが僕はいちばん好きである。

何もかもが素晴らしい、格別の2時間であった。この最高傑作を生涯に一度でもスクリーンで観られて本当に良かった。
正直に申し上げて、涙腺が緩みそうになったのは一度や二度ではない。もう、しょっ中であるw 斯くも健気なナウシカは人類の宝だなあ…と、つくづく思うw

以前までは、この映画作品の続編を(多くのファン同様)所望していたけれども、きょう改めて鑑賞してみて、もうその必要は無いのでは…という気になって来た。
別の物語でナウシカがメーヴェに乗って再び冒険に飛ぶのも良いだろう。しかし、このひとはもう、十分に働いたよ…という感慨に僕は至ったのだ。劇中、ナウシカは、たくさん笑ってたくさん泣き、そしてたくさん殺し、たくさん救っていた。

この映画は原作とはかなり異なる結末だけれども、だからと言ってこれ以上の後日譚はこの映画には不必要だろう。何と言うべきか、ナウシカはもう、その後は風の谷の王女として安寧な生活を送って貰えればそれで良いのでは、と思い始めたのだ。
観る者の中においても、ナウシカの物語は大団円のうちに幕を閉じたのである。きょう観終わって、僕はそう感じるに至った…。

ちなみに、トップの写真は、約35年前の公開当時、僕が中学生のときに技術家庭科で製作したパネル。実家で保管してあったものを昨年、こちらに持って来た。今は自室に飾ってある。

投稿の最後に、何かナウシカ関連で動画を一枚貼っておこうか、と考えた。予告編も良いのだけれども、久石氏の音楽が入っていなかった。では、いっそコンサート映像を…と、これを選んでみた。
もう総勢何名いるのか分からなくなるくらいのw大編成オーケストラを久石氏自らが振る『風の谷のナウシカ』の劇伴は、実に壮大。スクリーンには名場面も映し出され、映画本編の雰囲気も出ている。良いですなあ…。

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次回予告(?)も兼ねて、一冊の本のご紹介をば…。下のリンクは先日、古本で見つけて買った書籍です。星座を写した天体写真集なのですが、これが実に優れものの本なのでした。書名にある「星がとびだす星座」の写真とは一体どういう意味なのでしょう?w 詳しくは来週の投稿で…。お楽しみに。

伊中明 著『星がとびだす星座写真』
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