明けの明星とオリオン座。その天頂近くから姿を見せたのは…

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僕は、毎朝4時過ぎには起床して、午前中の仕事に向かう。

家の玄関を出るとすぐに、東の空が目に入る。今の時期だと、まだ夜明けには早い。依然として真っ暗なのである。朝陽が漏れ出す前の虚空には、金星がひときわ輝いている。まるで、それが己自身の独壇場であるかのように、明けの明星はそこで存在感を放っているのだ。

建ち並ぶ家々の向こうに、そのような夜空を見ると、ああ一度撮影しておきたいという衝動に、僕は駆られる。でも、先を急がなければならないので、そんな時間はない。惜しいなあ、と思う。最近は、毎朝こんな状態だw

加えて、今朝(だいたい4時半頃)は、他の星も特によく見えた。雲がやや多く出ていていたけれども、その間からオリオン座を見つけることが出来た。あの三つ星が目についたのである。
オリオン座は、冬の星座だ。今の季節はまだ、こんな時刻に見ることになる。でも、あと3ヶ月もすれば、宵の頃に目にする星座となるだろうなあ、そうなると今年ももう終わりか、早いなあ、などと思いながら見上げていると、周囲の雲がサッと流れ始めた。

すると、オリオン座よりも更に高く、殆ど天頂かと見紛うほどの仰角に、月が現れたのである。僕は、ほおお、と思わず小声で歓声をあげた。まだまだ日が昇る前で、夜が最も暗いであろう時刻である。
半月にまだ2日ほど早かった。しかし、その月は、真っ暗な夜空で一際に異彩を放っていたのである。あとで調べてみたところ、その時刻は、南中の約30分前で、仰角高度は70度くらいだったようだ。それはまるで、はくちょう座を見上げるような角度に感じた。

オリオン座と、その右手の上に、聳えるようにして君臨する月の姿。是非、これも写真に収めておきたかった。しかし、仕事に向かう途中の車上(…自転車)である。そんな、時間はなかったのだ。

代わりに、と言ってはナンだけれども、手元の星座表アプリでそれを再現してみたのが、トップの写真である。

実際の月は、上のスクリーンショットで見るよりは遥かに大きい。当然、ベテルギウスやアルデバランよりも目立って見えていたのである。(そういった実際の事情を加味して表示してくれないのが、このアプリの惜しいところ…)

上のようにオリオンのイメージを星座にダブらせて見ると、如何にもオリオンが月と正面から対峙しているように観察される。これは面白い。盾を構えて腕を振り上げ、今朝のオリオンは、どうやら戦う相手を間違えていたようであるw

5時をだいぶ過ぎた頃に、夜は明ける。太陽が一旦昇り始めると、星座はあっという間に蹴散らされる。月はその明るい輝きを失うが、姿を消すことはない。でも、オリオンは、もう見えなくなってしまう。
明日の明け方もまた、今朝と同じ様子を見ることが出来るだろうか?いや、月の出は、毎日1時間遅くなっていくので、明日の同じ時刻には、月がオリオンの左側にいる筈だ。つまり、もうオリオンは、月を見てはいないだろう。

そうか、これは今朝だけの謂わば、天体ショー(?)だったのか…。そう考えると、そのとき丁度、雲が流れていって星空を観察できたのが、ラッキーなことであったように思えてくるのだった。

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最近、図書館で借りてみた本のひとつ。あまり期待していなかったけれども、よくまとまっていて、良い本だと思う。こうなると、冨田勲など、このシリーズの他の作曲家の巻も、期待したくなって来るのだ…。

『日本の音楽家を知るシリーズ 武満徹』
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