ウクライナ出身の女性ピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァについて、前回の続き。
リシッツァの愛用のピアノは、前回貼った動画でも使われている、ベーゼンドルファーなのだそうだ。(その動画の中では、あの黒い拡張鍵盤が、手前で不気味に佇んでいるのが見える…w)なんと、自宅に2台も(!)ベーゼンドルファーを所有しているのだという。ちなみに、ベーゼンドルファーは、僕の最も好きなピアノメーカーだw
ところで、リシッツァは、意外にも、ピアニストとして不遇をかこっていた時期があったようである。ウクライナから米国へ移住してきたものの、暫くのあいだ活躍の機会が特になかったようなのだ。
そして、10年くらい前から、自身の演奏を撮った動画を自分でYouTubeに上げるようになって、徐々に注目を集めるようになったそうである。元祖(?)ユーチューバー・ピアニスト、と言ったところだろうか。
(ベートーベンの「ピアノソナタ第14番”月光”の第3楽章。ここで使われているピアノは、スタインウェイです)
ラフマニノフのピアノ協奏曲全集を一緒に録ったロンドン交響楽団は、リシッツァのこういった、自作自演の演奏動画を観て、一緒にレコーディングすることを決めた、という逸話がある。
ラフマニノフの動画だけでなく、上のようなベートーベンのピアノソナタなど他の演奏もそうだけれども、まあ随分と迫力とインパクトがあるのだ。僕のように、FM放送で一聴しただけでも印象に残ってしまうものなのに、動画とはいえ弾いているところを目の当たりにすれば尚更だろう、と思う。ロン響も動画を観てさぞや驚いたのではなかろうか、と想像する。
ちなみに、日本ではだいぶ前から、ネット上のファンに、「リッちゃん」とか「魔女」とか呼ばれているのだそうだ。「魔女」とは、随分と言い得ているのではないだろうか。(だから、投稿のタイトルに使わせていただきましたw)
さて、このラフマニノフのピアノ協奏曲だけれども、FMで放送されていた第2番も含め、なんと第1番から第4番まで、何年も前にCD化されていたのだ。前回ご紹介したCDがそれである。僕はもう、直ちに入手したのは、言うまでもないw(上の写真の、左側に写っているCD)
いやあ、こんなピアニストをずっと知らなかった、とは何とも恐ろしい…。しかし、こうして僕の中では、マルタ・アルゲリッチに次ぐ(…いや、それ以上か?)、もうひとりの女性ピアニストが出来たことになる。こうして僕は、ヴァレンティーナ・リシッツァを愛聴していくことになったのである…。(次に、つづく)
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ヴァレンティーナ・リシッツァのレパートリーは、クラシックだけに留まりません。こちらは、『アパートの鍵貸します』など往年の名画の音楽をオーケストラと共に演奏したCD。ジャケット写真と共にレトロな雰囲気が漂っていて、いい味を出してますw
Valentina Lisitsa「LOVE STORY」(import)
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