ちょっと観に行きたいものがあって、はるばる鈍行列車の旅をしてきたのだ…

先達ての土曜日(つまり、一昨日)のことになるけれども、あるものを観に行きたくて、遥々二泊三日の旅に出ていた。

…と言っても、出掛けた先は実家なのだw 観たいものとは、息子の大学の学生オーケストラの定期演奏会。このオケの演奏は、先月実施された入学式でも耳にした。僕は、その弦楽がとても気に入ったのである。
そして、この定期演奏会のために、朝4時に起きて5時台の電車に乗り、4時間半かけて実家に来た。のんびりと鈍行列車の旅なのである。当初は、高速バスで行こうと考えていたのだけれども、都合の良い時間帯は既に満席となっていた。

だからと言って、特急には乗らないのだw 山間をゆっくりゴトゴトと走る列車の旅に味を占めてしまっているので、今回も遠路を各駅停車で行くことにした。なかなか乙なものである。
さて、電車は都内からずっと、ハイキングや輪行のお客で意外と込んでいた。トレッキングシューズを履いてバッグを背負った人たちやら、タイヤを外した自転車を大きな袋の中に入れて持った人たちやら。

そんな中、僕は2人掛けの小さい席の片方に座って、読書と音楽鑑賞三昧である。あと、iPad miniでバックギャモンを久し振りにやった。音楽鑑賞には、旧いDS Lite(任天堂の携帯ゲーム機)に「プレイやん」というカートリッジを挿す。
このプレイやんというものがなかなかの優れもので、DSをMP3や動画ファイルの再生機として使えるようにしてくれるのだ。僕は普段から携帯音楽プレーヤーを使っていない(スマホも所有していない)ので、プレイやんは結構重宝している。

ところが…である、出掛ける前の日に荷物を準備する際、肝心のDS本体を幾ら探しても全く見当たらなかった。息子が持っているのかと思ってメールするも、「僕は持って行ってない」という返事。
駄目元で娘に訊いてみたら、「私が持っているよ」と、あっさりと言うw「えー、何で持っているの?」とまた僕が訊くと、「英検の勉強をするときの足しに」と言って、僕が娘に一年前貸したのだそうだ。学習ソフトと一緒に。嗚呼、そのようなことは、すっかり忘れていたw

まあ、何にせよ、DSは無事戻って来た。何なれば、中古で買い求めてしまおうか、と思い始めていたところだったので良かった。DSは、「DSテレビ」というワンセグTVを見るためのカートリッジもあって、旅のお供には結構役に立つのである。


さてさて、トップの写真は、鈍行列車から撮ったもの。僕は、先頭車輌のいちばん前の席に座っていたので、途中の駅で数分間停車していたときに車内から撮影した。特急列車の通過待ちだったのである。

下の2枚の写真は、その際に駅のホームに降りて撮影。発車まで時間があったので、何人もの人が電車を一旦降りて、外の爽やかな空気を吸いつつ待っていたのだ。この山の名前は分からないけれども、雪筋も含め形が良いと思った。

ハイキングの人たちは、ひとつ停車する毎に2人3人と降り、その内にいなくなってしまった。僕の実家のある街も山では知られたところなので、皆んなそこまで来るのかと思っていたのだけれども、そうではなかったようだ。
代わりに列車は、地元の人を乗せて走った。制服の高校生であったり、普通の身なりをした中年や老年の人たちである。都内を出発した後とは違って、もう山あいを行く旅の客車ではなく、見覚えのある風景の中を生活の足として進んで行ったのだ。

そして、とうとう目当ての駅に到着。ここまでで、4時間余りの乗車であった。僕はずっと色々好きなことばかりをしていたので、それ程には長く感じなかっただろう。運賃は4000円程である。
乗車前に改札で入場するときには、ICカードを使った。Suicaというものである。息子や母の話では、実家の最寄りの駅でも、最近ようやく自動改札が導入されたそうなので、ピッと簡単に出場できる筈…だった。

でも、僕のSuicaは(いつものことながら)残額が数百円しかない。ピッとやる前に、チャージか乗り越し精算をしなければならないのだ。まあ、自動改札が設置されたくらいなので、精算機くらいそばにあるだろう、と思っていた。
ところが…である。自動改札は2台あれども、肝心の精算機が見当たらないw たったひとりおられた駅員さん(駅長さん?)は、どうもややこしそうな他のお客さんの応対中。何やら間違えて買った特急券を交換して欲しいとか何とか…。

僕は、そのふたりの横で、Suicaと5000円札を握りしめて数分間待った。でも、全く埒があかない。僕は、Suicaにこのお金を入れて欲しい(または、その場で運賃を精算したい)だけなのだ。こんなことなら入場の前にチャージしておくんだったなあ…w
ふと、1〜2m程先に視線を投げると、この小さな駅舎の壁に最新の券売機が2台設置されていることに気づいた。Suicaのチャージが出来るそれである。僕は「ちょっと、すいませんよ」と足を伸ばして、その券売機に5000円札を入れてチャージした。

それからまた改札の内側に戻り、やっとのことでピッである。事前にネットで調べた通りの端数の細かい金額が自動改札機の画面に表示された。嗚呼、これでやっとひと安心w 次回からは、精算機がないことをちゃんと想定して、事前にチャージしておくことにしようか。

駅までの迎えは父にも母にも頼んでおかなかったので、実家まで歩くことにした。荷物がやや重かったけれども、途中の景色を写真に収めることを楽しみのひとつにしようと考えていたので、これで良い。

駅前の通りには少々の店が並んでいる。僕が小学生の頃からあった本屋や電器屋だ。スーパーはもう何年も前から無くなってコンビニになってしまった。それらを通り過ぎると、たちまちの内に田畑ばかりとなる。
田んぼには水が入れられ、もう田植えが済んでいた。薄っすらと土埃が浮かんだ水には、可愛らしい苗が整然と並んでいる。そのおもてに、真っ青な空が映り込む。時折そよと吹く風が、水面の景色に波紋を重ねて残していった。

歩道との間には、野の花が黄色く咲いていた。疎らだったので、人の手で育てられたものではないのだろう。このときは、花の名が分からなかったのだけれども、後日あるものを利用して判明したのである。(それについての投稿は、こちら

この辺りには、僕が子供の頃からずっとアカシヤの樹が多い。そして、これが大の苦手だった。アカシヤは、5月になると葡萄の小さな房のような白い花を一斉に咲かせる。僕はよく、その花粉症に罹ったのである。

上の写真は、そのアカシヤの大木。10mくらいはあろうかと思う。明るい緑の葉に混ざって、白く点々としたものが見て取れる。それらが全て花である。やや甘く粉っぽい香りを発する。僕にとっては、嗅げば鼻の奥がむず痒くなる匂いだった。
ところが、大人になってからは、すっかり大丈夫となったようだ。きっと、30〜40年のときを経て、何がしかの体質が変わり、アカシヤの花粉アレルギーが無くなったのかも知れない、と思う。但し、他種の花粉症は相変わらずだけれどもw

…と、徒然なるままに書いて、もう3000字近くにもなってしまった。この続きは、次回に。上述の大学オーケストラだけでなく、他にも観るべきものがあって、良い滞在になったと思うのだ…。

……

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