或る音楽家との出会いと思い出(後編)

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(前編は、こちら

後半のプログラムが始まる前の休憩時間に、僕は恐る恐る東海林修先生に話しかけてみた。すると、たいへん嬉しいことに、先生はとても気さくに応じて下さった。

それから僕は、なお緊張したまま、おずおずとCDをフェルトペンと共に差し出した。先生は、僕の名前を尋ねると、そのジャケットの裏面に快くサインを書いて下さったのである。(おもて面には、松本零士先生のイラストが印刷されているので、サインがそこに被らないように、東海林先生は配慮されたのだろう、と思う)
その上、先生と一緒にいた女性の提案で、な、なんと、東海林先生と一緒に写真を撮って頂くことまで出来た。これは、全くもっての、僥倖である。その写真とサイン付きのCDは、この日の記憶と併せて、僕の大きな宝物になった。

休憩が明けて、後半からは、いよいよ『999』である。
実に素晴らしい演奏だった。フルオーケストラ版と全く遜色がない。それまで座席でじっと静かに聴いていた東海林先生も、曲の合間に驚嘆のあまり、「うわぁ」と小さく声を上げて拍手をしていたくらいだった。特に、トランペット、オーボエ、パーカッションが上手い。それぞれの奏者の演奏力のみならず、指揮者のリードも、余程に優れているのだろう。

この音楽会は、入場無料。これだけの演奏をタダで聴かせてもらって、かえって申し訳なくなってくるくらいだった。プロ・アマ混成のオケだったようだけれども、会場費など開催の費用は団員の負担なのだろうか…音楽会のあと、ふとそんなことを考えた。

東海林修先生は、御年84歳。「先生の次のコンサートを心待ちにしています」と、この日のお礼と共に僕はそう言って、会場を後にした。
多分、『さよなら銀河鉄道999』は、生演奏される機会があまり多くない楽曲だろうかと思う。どうか、東海林先生のご存命のうちに、再び何処かでコンサートが開催されれば、と切に願っている。そのときにも是非、また先生にお目にかかりたい。

あれから、ちょうど一年が経つ。東海林修先生は、お元気にしていらっしゃるだろうか…。お話をさせて頂いたときの先生の笑顔が、今は昨日の出来事の様に、しかし少し懐かしくも思い出されるのである。

『さよなら銀河鉄道999』のサントラから、僕のいちばんお気に入りの曲。メーテルと鉄郎の再会と別れのテーマを。

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下のCDは、先日紹介したオーケストラ版を、東海林先生ご自身がシンセサイザーで演奏したもの。希少盤。僕は、このジャケットの裏面にサインを書いて頂いた。(トップの写真の左下)

『DIGITAL TRIP~さよなら銀河鉄道999シンセサイザー・ファンタジー~』(紙ジャケット仕様)
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