トップの写真は、本日のうちのねこ。キッチンの片隅でお座りをしている。
うちのねこは、僕の後をついて歩くことがよくある。大抵は、食べ物が貰えることを期待しているか、僕の上に乗って寝たいかの、どちらかだ。特に、前者のときには、僕よりも先にキッチンに行って、この写真のようにお座りをして待っていることもある。
そこで待っているからといって、必ず何か美味しいものが貰えるわけではない。むしろ、貰えないことが殆どの筈である。このときも、僕はコーヒーを淹れようと思って、キッチンに向かったのだ。だから、ねこの分け前は、ないw
それでも、いつもいつも、僕の足が一旦キッチンに向くと、サッとそこでお座りをしている。何か、忠実な僕(しもべ)のようであるw
僕がキッチンからリビングへ移ると、ねこはトコトコと後をついて来る。今度は、テーブルの下で待つという寸法だ。おこぼれを頂戴するためである。(例えば、こちらの投稿の写真をご参照…)
これは、廊下のお茶碗に入っているキャットフードを追加してくれ、という催促かな、と思って見に行くと、そうでもない。うちのねこは、自分用のごはんがまだあるのに、人間の食べているものに対して興味を示しているのだ。可愛いものである…。きっと、こちらの方が、ねこにとっても美味しいのだろう。まあ、分かる気はするw
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さて、今回は、前回の最後の方で少しご紹介した、加谷珪一 著『お金持ちの教科書』という本について、もう少し書いてみたいと思う。ただ、僕はこの本をまだ読みかけなので、はじめの3分の1程を読んだ感想のようなものである…。
この本、はっきり言ってしまえば、実に面白い。「お金持ちの世界」という、僕なんかにとっては、一種のワンダーランドのようなものの一端を(謂わば克明に)垣間見させてくれるからだ。
これは、筆者の加谷珪一さんの、筆力にも負うところが大きいだろうと思う。加谷さんは、本書に書かれているプロフィールを見ると、現在は経営コンサルタントをなさっているようである。記者の経験もあるそうだ。
ちなみに、この本、「お金持ち【になるため】の教科書」という意味ではないのだろう、と思う。まあ、そのような章(第3章「お金持ちになるために行動する」)もあるにはあるけれども、最後の3分の1程に過ぎない。
どうも、その辺りは、誤解を招きそうな書名であるような気がしないでもない…(ノンフィクション系の書籍では、よくあることですが)。なお、本書の「はじめに」を読むと、「お金持ちの教科書」とは、元々、加谷さんが運営するサイトの名前だったのだそうだ。
では、第1章から第2章までは何を書いてある本なのかというと、まずは、お金持ちの定義づけから始まり、それから、お金持ちの実像と行動原理を探って考察している。
ここで、ちょっと目を開かれるのは、所謂「お金持ち」とは、一種類ではない。ということだ。
実際には、色々なタイプのお金持ちがいるのだけれども、我々(庶民といえばいいのだろうか…)は、都市伝説的な話も含めて、お金持ちというものを一緒くたにして考えてしまっている、と筆者は指摘している。
例えば、収入が多いけれども貯蓄も含めて資産が少ないお金持ち、逆に資産は多く持っているけれども収入はあまり多くないお金持ち、などなど、タイプは幾つかあるというわけだ。
あと、「お金持ち」と定義できるのは、収入や資産が幾らからの場合なのだろうか、とか。この辺りは、筆者の加谷さんが、元記者だけあって、実例を交えながら検証していく。
それから、僕が特に興味を持ったのは、第1章の中の「お金持ちは常に恐怖に怯えている」という項で、突然のように「作家が自殺する理由」について、1ページほど割かれているという点だ。
今どき、作家が皆、お金持ちであるなどとは誰も思ってはいないだろう、と思う。作家でお金を唸るほど持っておられるのは、ごく一部の売れっ子だけであろう。(森博嗣氏が、いま僕のアタマに浮かんだ…)
中村真一郎氏が晩年、日記かエッセイに、「今年はとうとう、年収が200万円を切った…」(数字は僕のうろ覚え…すいません)と書いた、というのを僕は大学生の頃、何処かで読んだことがある。まだバブル経済の頃だっただろうと思う。
筆者の加谷さんが、ここで「作家が自殺する理由」について書いたのは、例えば資産家の子弟として生まれてお金持ちになった、という人の中には、いざ自分が会社勤めをしなければならなくなる、ということに尋常でない恐怖を感じる人もいる、ということについての引き合いとしてなのである。
作家の中にも、会社勤めの経験が一切ないまま、デビューしたという人が多いというわけだ。そういった方たちは、もし自分が書けなくなったときには勤めに出なければならなくなる、ということに対して死んでしまいたくなる程の恐怖を抱くのだそうである。(ここで、これまた唐突に書かれている、芥川龍之介が自殺した理由についての説も興味深い)
僕なんかは、今まで色々なところで働いてきたので、勤めに出ることに今更「死んでしまいたくなるほどの恐怖」は感じないけれども、新しい仕事場で新しい仕事を一から覚えていかなければならないのは、非常に面倒なことだとは思っている。人間関係の作り直しも含めて。
でも、例えば作家にとっては(多分、ミュージシャンやタレントなどもそうなのだろう)、それが死にたくなる程の恐怖になる、という切り口には、少し驚きながらも、興味深く読んだ。目下、本書の中では、僕にとって特に印象に残っている箇所のひとつだ。
…嗚呼、まだまだ語り足りないけれども、この『お金持ちの教科書』、かなり面白い本だなあ、と思う。
僕は、別にお金持ちになることを目指しているわけではないのだけれども、何か自分とはちょっと違う世界を垣間見てみたい、とは思っている。特に、そのような興味を持っている人たちに、お勧めしたい一冊ですね…。
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この本、結構売れたのでしょう。続編の『大金持ちの教科書』など、関連書籍も幾つか出版されています。あと、『図解 お金持ちの教科書』という本も。「図解…」って、何だか面白そうw
加谷珪一 著『お金持ちの教科書』(Kindle版)
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