昨夜は、9時ごろから雨が降り出しただろうか。丁度、帰宅をしようとしていたところである。
予報より1時間早かったと思う。その1時間が、僕にとっては大きい。もし10時に降り始めていたならば、その晩、僕は濡れずに済んだのである。でも、小降りのうちに帰りつくことが出来た。
そして、今朝もまだ降り続いていた。こんな日には、車で仕事に向かう。僕の車は、ホンダのアコード・ユーロRという幾分旧い車種である。もう10年くらい乗っているだろうか。
6速のMT車である。今時、かなり珍しいのではないだろうか。ちなみに、このユーロRの前に乗っていた車も、アコードだった。5速だったけれども、やはりMT車だったのである。
このアコード、僕にとっては実に、人馬一体感というか、正にピッタリとフィットしている感触のある車なのだ。まず、バケットシートなのが良い。躰をしっかりと固定できる。
エンジンのパワーも、そのタイミングも良い。好きなタイミングで、思った通りの出力が過不足なく得られる。僕のフィーリングによく合っているのだろう。
以前勤務していた会社で、メルセデスベンツのS600をよく運転させて貰った。これは、エンジンが6000ccである。僕のアコードの3台分だ。一方で、馬力は、多分2台分とちょっとくらいだろう、と思う。
このベンツは、ついぞアクセルを最後まで踏めなかった。まあ半分も踏めば十分だったのである。そのくらいに、出力は計り知れない車だったのだ。運転していると、何か猛獣使いにでもなったような気分だった。
僕にとっては、要するに、身に余る車だったのである。でも、仕事だから運転した。お陰で、左ハンドルにもすっかり慣れたものだった。これはなかなか得難い、貴重な良い経験をさせて貰った、と今でも思っている。
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トップの写真は、先達ての投稿の最後に紹介した、「キーボード・マガジン」の2017年秋号である。久しぶりに買った。20年ぶりくらいだろうか。
嘗て、音楽(シンセサイザー等を使って作曲)を生業にしていた頃は、情報収集のために、定期購読をしていたものだった。買うのは、その当時以来なのである。
その頃は、月刊誌だった。でも、今は売り上げ不振なのかどうなのか、年4回の季刊となっている。まあ、雑誌が不振なのは、これに限らず出版業界全体で言えるのだろうけれども。
先週、図書館でこの「キーボードマガジン」をパラパラっと読んでみたら、映画音楽の特集で、坂本龍一やら大野雄二やらコトリンゴやら、インタビュー等で読むところが多そうだと思い、意を決してネット注文したのである。
上に書いたように、これは季刊誌なので、図書館で借りられるようになるのは、次号が出た後、つまり3ヶ月も後になってしまうからだ。買った方が遥かに早いのである。
さて、この表紙は、見てすぐ分かる。坂本龍一の手だ。実は、この写真にも、惹かれたのである。
インタビューでは、坂本龍一が、「戦場のメリークリスマスの音楽を作曲するときに影響を受けたのは、ヴァンゲリスのブレードランナーだった」と発言している。全くの初耳。これは凄い…。
僕は、ヴァンゲリスのファンでもある。そういえば、以前の投稿で、『ブレードランナー』のBlu-rayについて書いたことがあったなあ…。Blu-ray版では、ヴァンゲリスの音楽が大迫力のサラウンドで聴くことが出来るのだ。
そのヴァンゲリスと坂本龍一の関係性についてなど、僕は今までに考えたこともなかったのだ。シンセサイザー使い、という点では共通項が確かにあるけれども、音楽性が余りにも違うように、僕には感じられたからだろう。
坂本龍一は、東京芸大出身だけあって、クラシックを基調としている。その後、YMOに参加してテクノポップをやっていた。かたや、ヴァンゲリスは、デビューがプログレのバンドだったのだ。両者にはそのような違いがある。
でも、バックグラウンドにそんな差異があったとしても、僕は、坂本龍一の上の発言を読んで、嗚呼なるほど…と納得した。坂本龍一は、凡ゆる種類の音楽を聴いて、それを吸収できる人だからだ。
坂本龍一は、自身のレーベルcommmonsで、『コモンズ・スコラ』という、一種の音楽全集の刊行を続けている。CD付きの解説書のシリーズである。
(坂本龍一セレクション『commmons: schola vol.16 日本の歌謡曲・ポップス / Japanese Pop Music)
近刊は、上の「日本の歌謡曲・ポップス」だ。このシリーズは、バッハやベートーベン、ドビュッシーやラヴェルなどクラシックを扱ったり、ワールドミュージックやジャズもあったりと、実に幅広い。坂本龍一の音楽性の幅広さを物語るかのようである。
でも、そうは言えども、やっぱりヴァンゲリスの『ブレードランナー』の音楽から、坂本龍一の『戦場のメリークリスマース』の音楽へは、イメージ的にはすぐに繋がってこないように思う。
よくよく聴いてみれば、ひょっとすると、何処かに影響の片鱗というか、関連性のようなものが浮かび上がってくるのだろうか?僕は、今までに両者を聴き比べてみたことなど全くなかった。今度、時間を見つけて、じっくりと聴いてみようか。
あと、このインタビューで、面白かったのは。坂本龍一が、「譜面を書くのは楽しくない」とか「譜面を書くのが嫌い」と発言していること。これも、意外だった…。
僕なんかの感覚では、音大を(しかも東京芸大の作曲科を)出ていれば、譜面を書くのなんか、楽々ちょちょいのパーだろうwという感じがしているのだけれども、そうでもないようなのである。
でも、坂本龍一は近年、これまでの自身の作品の数々をオーケストレーションし、譜面に残すという活動をしてきている。そして、オーケストラを率いて、自身の指揮でコンサートを開いていたのだ。
だから、オーケストラの譜面を書くのは、きっと好きなのだろうな…と、僕などは勝手に想像していたのである。実際には、好きだからやっているのではなく、むしろ、後世に向けて作品を残していかなければ、という思いの方が遥かに強いという訳なのだろう。
ちなみに、僕も、譜面を書くのは余り好きではない。音楽に関しては独学の徒だったので、そもそも苦手なのである。紙の譜面は、書いても音が出ないので、正しく書けているのかどうか確認できなくて困るのだ。
でも、コンピュータのシーケンスソフト(音楽ソフトの一種)ならば、入力した音符のデータが、シンセサイザー等を通じて即座に音となって出てくる。間違えていればすぐに直せる。
そんな感じで、僕の場合は、譜面を書く前にまずコンピュータに入力、となってしまう。まあ、ただ単に怠惰なのかもしれないけれどもw
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坂本龍一が自身の指揮で行った、オーケストラのコンサートのDVD。ピアノ演奏も担当しているので、所謂「弾き振り」です。「ラストエンペラー」では、鬼気迫るような表情で振っている様子が見て取れるなど、映像としても貴重な記録なのでは。がん闘病以降、この活動が一旦止まっているようなので、またいつか再開してほしいと思っています…。
坂本龍一『Playing the Orchestra 2014』(DVD)
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