ちょっと空手道の練習のつもりだったのが、思わずこんなことに。しかし、この程度ではヘコタレナイのだ…

僕は日々、空手道の稽古にも励んでいる。今月末頃には審査が実施されることになっているので、そこで合格をすれば帯の色が変わるのだ。筋トレと併せて尚一層、頑張っていかねばと思っている。

その意気込みが過ぎたのかどうか、2週間ほど前に激しく(?)転倒し、かなり強い打撲をしてしまったことがある。砂利が埋め込まれて少しデコボコしたコンクリートの上でハイキックの練習をしていたときのことだ。雨降りの朝だった。
1発目、2発目、と繰り出して、3発目といったときに一瞬、ふわっとした感触を感じた。そして次の瞬間には、左側の肘と腰の下、つまり股関節のあたりに激痛が走った。接地のあまり良くない地面で足を滑らせて、そのまま宙に浮き、側方に転んだようだ。

肘の痛みは割と直ぐに収まったけれども、左脚はずっと激痛が残ったままだった。歩くのもままならない程である。生憎と、その日は塾での仕事があった。這々の体で教室に向かい、その日の授業をこなした。授業後は生徒たちからの質問を受けた。
漸く仕事が終わると、そのままスーパー銭湯へ行くことにした。せめてもの湯治のつもりである。家以外でのお風呂なんて、もう何年振りだろう。脚が痛いながらも、それを思うと少し心が弾む。いつもの3分の1程度の歩行速度で、せっせと歩いて向かった。

スーパー銭湯の中にある食堂で晩ご飯を済ませてから入浴するつもりだったのだけれども、到着した頃にはラストオーダーの時刻を少し過ぎてしまっていた。ここでの食事は諦めて、早速お風呂に入ることにしたのである。
大浴場内には、何種類ものお風呂がある。そのひとつひとつに浸かって怪我を癒すつもりだ。特に、ジャグジーや電気パルスのマッサージ風呂に長く入った。家のお風呂では体験できないからである。その間、僕は周囲の人々をじっと観察した。

ここで気づいたのは、お腹の腹筋が綺麗に割れて見える人って案外といないものだなあ、ということだった。今までは気にもかけていなかったのだ。皆んな、腹部がのっぺりとしているか、丸々としているかのいずれかであった。
肩から腕にかけての形にも凹凸が見られない。一見、太そうに見えてもそれは脂肪のためだったりする。筋肉の隆起がある腕を持った人は殆ど全くいなかったのではないかと思った。筋トレのジムが流行っているように感じられても、案外それ程でもないのだろうか。


(先週末の夜に撮った僕の体脂肪率。こんな風に一桁となることが多いです)

そんな中、細マッチョ気味で顔には髭を生やし、且つ変なビッコを引いて歩いている僕は異色だったかも知れない。有り体に言うと「コイツ何者⁉︎」といったような変な人だったのかもw 例えば、露天風呂に行くや、4〜5人の先客がサーっといなくなったのである。
それでも、1時間以上も色んなお風呂に入ってすっかり温まり、左脚の痛みが和らいだように感じられた。電気パルスのマッサージなどが効いたのだろうか。たまには家の外のお風呂も実に良いものだと思った。

銭湯といえば、もうひとつのお楽しみは入浴後の飲み物であるw 昔であればコーヒー牛乳といったところかも知れないけれども、僕は今回、フルーツ牛乳を選んだ。独特の甘みが疲れた身体に染み渡っていく。これまた心地よい瞬間だ。

その後は、毎日、貼り薬や塗り薬を用いて自家治療を行い、食事は大豆の量を増やして高タンパクの摂取を目指した。その分の栄養が患部へと行くように考えて筋トレはお休みし、空手教室での稽古も時間を短くするか休むかした。
あとは十分な睡眠である。よく寝たあとは不思議と左脚の調子が良いものだ。きっと、人は寝ている間に回復が図られるのだろうと思った。だから睡眠は重要なのだろう。そのようにして日々、仕事には相変わらず通いながらも、自分なりに養生していったのである。

その甲斐あってか、転倒してから10日ほど経って、騎馬立ちで突きの練習をしたり、形(かた)の練習が出来るくらいには回復した。左足の蹴りも、角度によってはまだ痛むけれども、だいたい大丈夫になってきた。いずれも、審査には影響なさそうで良かった。

ところで、先月、グローブをひとつ買った。空手用のグローブ(拳サポという)は既に買ってあるのだけれども、それは空手教室で使うとして、うちでの自主練習用にもうひとつあれば良いと思っていたのだ。安いものでも良いと考えて探してみた。
すると、700円程で、総合格闘技で使うようなタイプのものが買えたのであった。下の写真にあるMMAとは、総合格闘技(Mixed Martial Arts)の略称であろう。拳サポとは形状が異なるけれども、自分で拳が保護できれば良いので、自主練には十分なのである。


さて、これは先週のことになるけれども、仕事場の塾へ行く前に映画館へと立ち寄った。「怪物」という邦画作品を鑑賞するためである。これは、坂本龍一キョージュが映画音楽を担当する最後の作品となった。

観終わって僕自身が感じたのは、とにかく可愛い映画、ということだった。前半部分は、サスペンスかミステリーのようにして伏線を張り巡らしながらストーリーが運ばれていき、後半ではそれらが一気に回収されていく。その後半が可愛いのだ。
少しでも詳しく説明しようとすると、うっかりネタバレにもなりかねないので詳しいことは書けない。しかし、この作品はカンヌ映画祭で脚本賞と同時に、ある別の賞も獲っている。それが何であるか述べるだけでもネタバレになり兼ねない…で察して頂けたら。

上の予告編を見ると、冒頭で「湖のある静かな街で…」というナレーションが入る。実は、これが長野県の諏訪湖畔であることに、僕は映画を観初めてから気づいた。少し見慣れた湖の風景が映画の随所に登場したからである。
そこに、キョージュの優美なピアノの音楽が掛けられていく。この映画のため新たに作られたのは2曲で、あとの残りは既成曲からピックアップされている。しかし、これが実にマッチしているのだ。とても素晴らしい選曲だと思った。

ラストシーンでは「Aqua」という曲が流れるのだけれども、思わず目頭が熱くなりそうなくらいであった。そして、最後に坂本龍一ご本人に対する弔意の言葉をもって、この映画の幕は閉じられるのだ。この作品は正にキョージュの映画でもある。
僕は、余程にこのサントラを買おうかと思ったけれども、YouTubeの公式チャンネルに全7曲がアップされていた。ご丁寧なことにプレイリストまで作成して。ご興味のある向きは是非ともご一聴の程…。

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下のリンクは、今や日本のクラシック音楽界を代表する作曲家のおひとりといっても過言ではない、吉松隆氏の新作。今年の春に東京芸術劇場で開催された演奏会のライブCDです。オーケストラは東京交響楽団、指揮は新進気鋭のマエストロ、原田慶太楼氏です。
曲目は、交響曲第3番の他に、僕の好きな「鳥は静かに…」という管弦楽曲や、キース・エマーソンの音楽をオーケストレーションした楽曲も収録されます。僕は先達てFM放送で、この演奏会を部分的に聴いたのですが、とても良かったのでCD化を待ち望んでいました。発売まであと1週間ほど。とても楽しみです。

「吉松隆:交響曲第3番/タルカス」
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