久し振りに月を撮った。12月には、スーパームーンもあるのだ…

2日ほど前の朝だっただろうか、台風一過の後、また少し雨が降った晩の翌朝のことであった。

またいつものように、早朝4時過ぎくらいに仕事に出ようとしていた。早朝と言えども、辺りはまだ朝を知らぬままで、漆黒に包まれている。
夜空を見上げると、それは凡ゆる風雨に洗われたばかりで、極めて澄み渡って見えた。月が姿を隠していたせいもあろう、満天の星空だったのである。

いつもは、オリオン座ばかりが目につく、この時間の星座たちも、このときばかりは違って見えた。それぞれの星が自己主張をするように犇めいていたのである。
とりわけ、僕の眼中にはっきりと飛び込んできたのは、オリオン座の周囲を取り巻くように描かれる、冬のダイヤモンドであった。6つの一等星で構成される、大きな六角形のことである。

この時期はまだ多少、冬と言うには早いのだけれども、それを象徴する天体を幾分先取りで観ることが出来たのは、早起きというものの、ひとつの利点なのかも知れない。
普段は余り損得を気にせずに生活をしている僕も、このときばかりは、少々得したようなつもりになったのである。下の写真は、星座表アプリで、そのときの星空を再現したもの。


さて、先日の晩は、仕事が休みであった。夕方頃に南の空をふと見遣ると、まだ青さの残る空に、白く月が薄っすらと浮かぶのが見えた。雲は、ひとつもない。

これは、チャンスだと思ったのである。今晩はまた、月の撮影が出来るのだ。三日月と半月との中間くらいの形。月齢は、だいたい6である。クレーターが上手く写りそうな、そんな月だ。

早速、慌てずに急いでw、自作の天体望遠鏡を三脚に取り付ける。その接眼レンズに、iPad mini2を据える。三脚の脚を伸ばして広げ、いよいよ望遠鏡が月を射程に捉えようとすると、早いことに周囲はもう日が暮れていた。

なるほど流石に、秋はつるべ落としと言うだけのことはある。実際には、まだ空がすっかり暗くなる前の、薄ぼんやりとした中での月も撮ってみたかったのだけれども、それには間に合わなかったのだ。
その代わりにと言ってはアレなのだけれども、いつものように漆黒の中に浮かぶ月を撮ったのが、トップの写真である。やはり、クレーターが幾つも写ってくれた。これは嬉しいw

前回、月を撮ったのは、もう3週間も前である。
墨を流したような雲間から中秋の名月を撮ったり、その翌日のもっと満月になった月(…不思議な表現ですなw)を撮ったのである。その投稿は、こちらこちら
その間、曇っていたり、台風だったりしていたために、なかなか月を撮る機会がなかったのだ。僕の休みと上手く噛み合ってくれなかった、ということもある。そんな意味で、今回は絶好のチャンスだったのだ。

あともう一枚撮ってみた。クレーターがよく見える部分のアップである。
実は、この写真を撮るときに、何故か純正のカメラアプリが途中でフリーズして、HDR撮影をしてくれなかったのである。
よって、ノーマル撮影の写真しか残らなかった。低コントラストなので、ややはっきりしないような画像になってしまったのだけれども、ご了承ください…。

こんな風にして、久し振りの月面撮影に臨んだひと時であった…。


さてさて、来たる12月には今年最後のスーパームーンが観られる、というニュースが先日、国立天文台のニュースに出ていた。

12月3日から4日にかけての夜である。正確に言えば、日付を跨いだ直後の、深夜0時47分に最大となるようだ。


(出典:国立天文台「今年最大の満月(2017年12月)」)

スーパームーンと言えば、一般的には「満月が大きく見えた」ということばかりが話題になるのだけれども、実はそれだけではないのである。
大きく見えるということは、上の図の通り、見かけ上の月の表面積が増えたことになる。そのことはつまり、月が地球へと反射する太陽の光の量が増えることもまた意味するのだ。つまり、その分だけ、月の明るさが増すということである。

上のリンク先の記事では、きちんとその辺りも触れられている。流石、国立天文台である。
この記事によると、スーパームーンになることによって、30%も明るくなるということなのだ。僕の感覚では、これだけ明るくなると、月の色もまた少々異なって見えてくるのである。

いつだっただろうか、以前見たスーパームーンは、いつもの満月よりも、だいぶ白さが増して見えたものである。例えるならば、高輝度発光ダイオードがそのまま大きくなったような真っ白さ、と言えば良いだろうか。そんなこともあったのだ。
さて、今年最後のスーパームーンは、我々にどんな姿を見せてくれるのだろうか。まだまだ先のことではあるのだけれども、今から楽しみである…。

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