一年前の11月28日、僕のところに毎朝配信されるメールには、冒頭にこう記されていた。
<勝谷誠彦 生まれ育った尼崎にて旅を終える>
きのうは、作家でコラムニストの勝谷誠彦氏の命日であった。僕は昨夜、仕事を無理言って早引けして、勝谷氏のメール配信元の事務所へと駆けつけた。一周忌のネット番組が制作配信されるので、それを見学するためである。
番組収録スタジオをとても興味深く拝見した。事前に想像していたよりも様々な機材があって、月並みな表現だけれども、凄いなあと感じたのである。もし曜日と時間が合ったら、また見学したいと思っている。ここでは、定例で番組配信が行われているからだ。
それから、その会社の社長さん、勝谷氏のマネージャーさん、番組出演者の方と一緒に、新宿にある讃岐うどん屋さんへ移動。勝谷氏が経営していたお店なのだ。そこで僕は、勝谷氏が商標を持つ「ねばたまうどん」を食した。
玉子と納豆がトッピングされたうどんである。あとは、海老天など天麩羅をふたつ添えて。ビールは、社長さんから奢って頂いた。どうも、有難うございます。
(撮影時に、箸を添えるのを忘れました…)
あとは、人数が少し増え、5人の皆さんが話す思い出話を聴きながら賞味。実に美味い。食べ応えのある良いうどんである。昼食のみならず、晩御飯にもおすすめだ。
横で聞かせて貰った様々なお話も、とても楽しかった。その内容は、とてもとてもここには書けないのでw、キーワードのみの列挙とし、あとは読み手のご想像にお任せしたい。
例えば、「勝谷邸の開かずの間の謎」「イエローモンキーバナナの話」「ねこパンチ、ポコポコポコポコー」などなど…w 他には、勝谷氏が時折、配信メールに少し書いていた「おねーちゃん」についてとか。おっとこれ以上は書けないぞw
それから、銘酒「獺祭(だっさい)」を頂戴した。これは、山口県の有名な日本酒だ。僕は、これを初めて呑む。勝谷氏は、獺祭についての書籍を嘗て上梓した(トップの写真をご参照)。つまり、氏のゆかりの酒なのである。皆で勝谷氏に献杯。
(お店の方が、なみなみと注いでおります…)
これはなーんとも、まろやかで優しい。口腔内をぬるぬるとゆっくり降りていく、非常に上品で深い味わいであった。こんなに口当たりの良いお酒、初めてである。凄い!
嗚呼、これが勝谷さんの愛する酒か…との感慨に耽りながら堪能することが出来た。良い夜である…。氏を偲ぶ思い出深い一日になったように感じる。
僕にとって、夜は短い。翌日も朝が早いのだ。そろそろ、帰らねば、ということで御暇。名残惜しいなあ…。この店は実に良い。また来ようと思う。
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トップの写真の書籍は、こちら。獺祭に関するルポルタージュなのですが、まるで一編の小説のようでもあります。そこはやはり、勝谷氏の筆致と文学性によるものなのでしょうか。こちらはハードカバーですけれども、改題した新書版もあります。僕は、先達ての勝谷邸訪問時に、ハードカバーの方を選んで頂いてきました…。
勝谷誠彦 著『獺祭 天翔ける日の本の酒』
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