高尾山を登頂後、隣の小仏城山への山登り、その2。(その1は、こちら)
もみじ台という、天気が良ければ富士山を見ることが出来るという休憩場所から、木で作られた階段を下った。前方を見渡すと、木が伐採されかかったような山が見える。天辺には、携帯電話の基地局らしきアンテナも見て取れる。
望遠で撮ったので、近い距離のようにも見えるけれども、実際には遥か遠くに思えた。ガイドブックによると、高尾山の山頂から、約2,2kmで、1時間強の行程となるようである。
この、もみじ台から小仏城山へと登る登山道は、かなり良く整備されている。人工的とも言えると思う。高尾山の6号路のような自然の只中にある登山道とは、だいぶ雰囲気を異にしているのだ。
でも、時折、トップの写真のような奥深い針葉樹林を登山道の脇に見ることが出来る。僕にとっては、懐かしさを感じる風景のひとつである。また、この山の山林では、鶯たちの掛け合いのような鳴き声がよく聞かれた。
半分ほど来たところで、一休み。途中には、上の写真のような、木のテーブルやベンチのある休憩所があった。トイレや水道も設けられている。僕はここで、すっかり温くなったポカリスエットを、ひとくちふた口と飲んだ。
しかし、このような山の中腹に、木材をふんだんに利用した休憩所を作ってしまうとは、登山道の整備も含め、先人たちの偉業に感謝しなければならないだろう、と思う。お陰で、こうして山登りを楽しむことが出来るのだから…。
休憩所からもう少し登ったところに、展望台があった。周囲には樹木が一切ないので、直射日光が射すように暑い。でも、屋根付きのベンチがあったので、また一休み。
柵の向こうには、下界の市街地を見ることが出来た。住宅や店舗のような建造物が小さく点在している。あのひとつひとつの中に、人々ひとりひとりの生活があるのだ…。
ニコン P900でファインダーを覗いていると、中央付近に、横長の建物が小さく見えた。はて、あれは何だろう?と、どんどんズームしてみた。下の写真は、8000mm相当まで引っ張って撮ったもの。
Jマートという看板を掲げた店舗だ。ホームセンターのようである。建物の手前には、トラックなどの車輌も見える。いやあ、殆ど点のようだったものが、ここまで大きく見えるとは…P900、恐るべしw
あと、十数分おきくらいに、上空をジェット機が通過していた。高尾山を登っているときにも、ジェット音は良く聞こえていたのだけれども、樹木の繁みがあったので、機影を見ることが出来なかった。
でも、この休憩所では上空を青天井で眺めることが出来たので、一機をパチリと撮ってみた。フライトレーダー24をチェックできる環境になかったので未確認だけれども、多分、JALのボーイング737あたりの機種だろう。
この展望台兼休憩所を出ると、登山道右手の繁みの向こうに、樹木を伐採した跡のある場所を見ることが出来た。これは、もみじ台を出た後で遠くに見えた地点と同じものである。(このページ、上から2枚目の写真をご参照)
嗚呼、歩きに歩いて、遂にここまで来たのだなあ…と、やや感慨深くなったのである。嘗ては遠くに思えた場所が、今はこうしてすぐ隣に見える。このようなことを感じるのも、山登りの醍醐味のひとつかも知れない。
さあ、登山道も段々と平らになって来た、山頂まであともう少し、と自らを励ましつつ、歩みを進める。でも、なかなか到着しないのだw 上の写真の後にも、また急斜面の坂があったのだった。
そして、細く急な登山道を登り切ると、遂に山頂が…。沢山のテーブルやベンチが見えた。その一方で、人影は実にまばら。3〜4人といったところだろうか。兎にも角にも、木彫りの天狗と共に並んだ、山頂の標識を写真に収めた。
下の写真は、小仏城山の山頂から見た高尾山。その山の天辺に小さくちょこんと、アンテナの付いた建物の先っちょが見える。これこそが、僕が高尾山の山頂に着いたときに、入道雲と共に撮ったアンテナなのだ。(そのときの写真は、こちら)
ほっとひと安心すると、猛烈な喉の渇きを覚えた。そうだ、そうだ。また、お茶屋さんでビールを買って飲もう。そういえば、それらしき建物があったな…と見渡すと、どうも、そちらの方には人気(ひとけ)がないことに気づく。
まさか、お休みなのでは?ぐるっと建物の周りを回ってみたけれども、冷蔵庫などには、鍵のついた鎖がガッチリと付けられ、店内には誰もいなかった。見本の空き瓶やビール缶が、カウンターの上に寂しく並べられていた…。
僕は、ガックリと来たけれども、きっと僕だけでなく、ここにいる他の登山者の皆さんも同様だったろうと思う。でもまあ、一度に3〜4人しか客が来ないのならば、そんな日は確かに休みにしてしまった方が得策なのかも知れない。
そんな訳で、またまた、温くなったポカリスエットとペットボトルに入った水で喉を潤し、持参したコアラのマーチを2、3個食べて休憩した。
10分ほど休むと、僕は次へ向けて出発することにしたのである。次は、この隣の景信山という山だ。標高は、小仏城山よりも更に高い。一層、困難な山登りになるであろうことは予想できた。
下は、この小仏城山の山頂に建っていたアンテナ施設の建物。これも、もみじ台を下った場所から見えていたのである。なるほど、近くで見ると大層大きい。よく見ると、建物の横には自動車が…。
…というわけで、景信山への道のりは、これまでとは打って変わって、再び大自然そのもののような登山道だった。さて、3つ目の山登りは、如何に…?(景信山編に、つづく)
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