『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の最新作をBlu-rayで観たのだ…

トップの写真は、1週間前の土曜日、午後10時過ぎに撮った月。「二十日余りの月(はつかあまりのつき)」という。そして、ふた晩あとには下弦の半月となったのだ。

この日までの数日は曇ったり雨が降ったりで、暫く月を臨むことが出来なかった。この夜も幾分曇が出ていて、上下2枚の写真のいずれも表面が陰っているのが見て取れるだろうと思う。

そういえば、数日前『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の最新作である『ファースト・マン』をBlu-rayで観た。人類で初めて月面に立った男、というのがこの題名の意味するところである。アポロ11号のニール・アームストロング船長のことだ。
チャゼル監督は、どの映画作品においても、最も凝縮された実に濃密な見せ場というものをラストシーン近くに持って来るという作風があるようだ。『ラ・ラ・ランド』では、言わずと知れた(?)あの夢想的な場面である。


(主演は、『ラ・ラ・ランド』と同じく、ライアン・ゴズリングである。八面六臂の活躍ぶりだなあ…)

翻って『ファースト・マン』では、アームストロング船長が月面に立ち、地表を歩き始めた後、少し経ってからその瞬間が訪れるのだ。深く抉られた地の底のような大きなクレーターの前で、ある行動に出る。
それを見て、嗚呼アームストロング船長は、月のこの場所に、自分の人生のひとひらを残して地球に還って来たのだ、と僕は思った。そして、それは今でも尚、月面に残っているのだろう。

(ちなみに、この『ファースト・マン』には原作がある。アームストロング船長の伝記『ファースト・マン 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生』である。その本では、当該の行動について少し触れられている。
具体的な文章をここで引用するのは控えるけれども、まあ要するに我々のご想像にお任せするという具合に理解できることが書いてあるとだけ申し上げておこう。それはきっと、映画で描かれたような行動だったのだろうと僕は考えている…)

これからもこうしてP900の望遠レンズを通して月を観察する度に、僕はアームストロング船長が月面に残してきた「あれ」のことを思い出すだろう。
余りにも小さいものなのでそれは決してレンズやファインダーからは見えずとも、その代わりにひとの心には星の煌めきのようにして写し出されているものだからなのである。

(『ファースト・マン』を未見の方にとっては、きっと何を書いているのかお分かりにならないかも知れません。是非とも、ご覧になってみて下さい。とても良い映画ですよ…)

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この『ファースト・マン』を観て、またチャゼル監督の次の作品が楽しみになってきました。ジャズドラム(『セッション』)、ミュージカル(『ラ・ラ・ランド』)、宇宙ものの人物伝(『ファースト・マン』)と作品が続いて、さてこの先にはどんな内容の映画が登場するのか、実に興味深いですね…。最近のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のようなSFという路線はどうかなあ、もしくはアクションも良さそうだなあ…と個人的には色々と思っているのですが。

『ファースト・マン』(Blu-ray+DVD)
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